ドイツにおける性犯罪の時効期間は、犯罪の種類や重さ、被害者の年齢に応じて異なる。軽度の性犯罪(性的嫌がらせなど)は通常3~5年で、性的暴行(強姦や性的虐待など)は10~20年となっている。特に未成年者に対する性犯罪の場合、時効の開始は、被害者が30歳に達するまで延期される。特に重大な強姦事件などでは、時効は20年以上となる場合もある。ドイツでは2015年に法改正が行われ、未成年者への性犯罪の時効期間が延長された。性犯罪における時効は多くの議論を呼んでおり、被害者が事件について話すまでに時間がかかる場合が多いことから、時効撤廃やさらなる延長を求める声も上がっている。
フランス教会の聖職者の性犯罪問題が報じられた時、エリック・ド・ムーラン=ビューフォート大司教が2021年10月6日、ツイッターで、「教会の告白の守秘義務はフランス共和国の法よりも上位に位置する」と述べたことが伝わると、聖職者の性犯罪の犠牲者ばかりか、各方面の有識者からもブーイングが起きた。同じように、アーヘン司教区の財務委員会のクリストフ・ヴェレンス氏が「時効の主張は、もはや立証できない請求から司教区を守るためのものだ」と説明し、「原告たちは高齢で、請求を適時に行う十分な時間があったはずだ」と述べた時、デモ参加者たちは笛を吹いて抗議した。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年11月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。