レジ袋有料化による直接的な変化は確かに生じたのです。
一方で、無料レジ袋が家庭用ゴミ袋としても活躍していたことから、レジ袋有料化によって、プラスチック製のゴミ袋の購入や消費が増加するのではないかと懸念されてきました。
この懸念はレジ袋有料化を行っている他の国でも同様に生じています。
そして人々や袋メーカーの強い反対によって、レジ袋有料化の政策が撤廃されることもあります。
例えば、テキサス州ダラスでは、2015年からレジ袋に5セント(約7.7円)の料金を課すようになりましたが、市がレジ袋メーカーから訴訟を起こされ、たった5カ月でこの政策は撤廃されました。
またテキサス州オースティンでは、2013年に無料レジ袋が禁止になりました。
しかし2018年にはテキサス州の最高裁判所によって、「州全体でレジ袋の有料化を禁止する」という判決が下り、オースティンでのレジ袋有料化は5年で終了しています。
日本でも「レジ袋有料化の撤廃」を求める声が上がっているため、これらの国で撤廃の後どうなったか気になりますね。
今回、ハイ・チェ氏ら研究チームはこの2つの都市(ダラス、オースティン)における「レジ袋有料化とその撤廃」が人々の行動にどのような影響をもたらしたか報告しました。
「レジ袋有料化」と「政策撤廃」の影響は?
今回、研究チームはテキサス州ダラスとオースティンにおけるレジ袋有料化と撤廃の影響を調べました。
その結果、レジ袋が有料になった後、人々はプラスチック製の袋をより多く購入するようになりました。
彼らは無料でレジ袋がもらえなくなったので、ゴミ袋として使用するための袋を追加で購入するようになったのです。
チェ氏はこの結果について次のように語っています。
「環境意識の高まりによるポジティブな効果を期待していましたが、実際にはプラスチック袋の購入が増加しました」