来期の議会にとって、2017年トランプ減税が2025年末に期限切れを迎えるため、その延長(あるいは恒久化)が最優先の議案だ。
これらは財政調整措置で対処できるため、一定期間の延長は党内の多くが承諾するだろう。恒久化については、難しいのではないかとみている。
あと、 ルミス上院議員が提出した「BITCOIN Act of 2024(ビットコイン法)」への期待が高まっているようだが、これもフィリバスターを突破する必要があるだろう。民主党内で賛成派もいるので超党派で賛成できる気もするが、トランプ政権下で、民主党は協力しない可能性が高いだろう。
【3】 新たに就任したスーン上院院内総務採決スケジュールを決める権利は、基本的に上院院内総務がもつ。数十年間、マコネル上院議員がこのポジションにいたが、今年11月の党内投票でジョン・スーン上院議員(ND州選出)が就任した。すでに上院院内幹事というNo.2のポジションを務めていたので、順当といえる。
上院院内総務を決める党内選挙の結果は以下の通り※4)。
1回目:ジョン・スーン院内幹事(27票)/ジョン・コーニン議員(15票)/ リック・スコット議員(13票) 2回目: ジョン・スーン院内幹事(29票)/ジョン・コーニン議員(24票)
トランプ次期大統領やイーロン・マスク氏、MAGA支持者が支持したリック・スコット上院議員は最下位で13名しか支持しなかった。2022年の党内選挙の時は10票だったので、あれだけトランプ次期大統領や支持者らが呼びかけたにも関わらず、たった3票しか増えなかったということだ。
上院共和党トップを巡るトランプ次期大統領の呼びかけは、上院議会に影響を与えられていないことがわかるいい事例のようにみえる。スーン上院議員は上院院内総務に就任してから、トランプ次期大統領と既に電話会談をしたようで協力関係は築けている。
スーン上院院内総務は予備選時はティム・スコット上院議員を強く支持していた。1/6議事堂襲撃事件が起こってからトランプ前大統領を厳しく非難していたし、2024年大統領選での最終的な支持も上院議員内ではやや遅かった。といってもマコネル上院議員よりは早かったが※5)。