トランプ次期大統領が指名した政府高官の評価がメディアで色々書かれているが、上院議会で承認されなければ就任できない。

大統領には政府高官を指名する権利はあるが、あくまで指名だけだ。正式に承認されるには上院議会の助言・投票が必要となり、承認には過半数の票が必要となる。

共和党は53議席を確保したから、50票なんて余裕だと考えられているようだが、決してそうとはいえない。先述したように、2021年にトランプ元大統領の弾劾裁判で弾劾に賛成を投じた議員がいる。

マカウスキ上院議員は新たにトランプ次期大統領が指名した政府高官は全員FBI審査を通過する必要があり、それをしないならば承認しないと発言したようだ※1)。 マカウスキ上院議員はトランプ次期大統領に投票しないと言い切ったし※2)、2022年中間選挙でトランプ氏を支持する対抗馬から予備選挙で挑戦をうけたこともある。すでに報復されていて、それでも勝ち残ってきたのだから、その姿勢を貫くだろう。

また、マコネル上院議員も引退後の身の振り方次第ではあるが、トランプ次期大統領の意のままに投票するような議員ではない。

一方で、コリンズ上院議員は再選を目指して2026年に再出馬する意欲をみせているため、トランプ次期大統領と良好な関係を保つために譲歩する可能性はあるだろう。

司法長官に指名されたゲイツ元下院議員は、上院議会からの承認を経ることが難しいと判断して早々と辞退した※3)。

次に、上院議員内で承認が難しいといわれているのは国防長官に指名されたヘグセス氏だ。次期副大統領のヴァンス議員は共和党上院議員へのあいさつ回り(ロビー活動)をすでに進めている。上院議員が難色を示しそうな人物は、このようにヴァンス議員が紹介しにまわっているようだ。近々、国家情報長官に指名されたトゥルシー・ギャバード氏もヴァンス上院議員とともに来訪するだろう。