本記事では、後者をナレッジマネジメントとして捉え、これがうまくいかない理由について、解説していきます。
ナレッジマネジメントが失敗する原因 三つの「ない」ナレッジマネジメントは、個人に属する暗黙知を、誰もが認識できるマニュアル、文書、音声・画像データなどの形式知に変え、組織内で活用することで進められます。
「わが社でもナレッジマネジメントを推進していこう。まずは業務のマニュアル化から着手しよう」「社内の属人的なノウハウを見える化できるITツールを導入しよう」 「社内で使っている営業資料、管理資料を一元管理し、皆で資料をブラッシュアップして業務効率を上げていこう」
このような社長の号令の下、「ナレッジマネジメント担当者」が社員のなかから選ばれ、プロジェクトとしてナレッジマネジメントの推進を行いますが、以下のようにプロジェクトが形骸化し、試みはしたけれど成果に結び付いていない会社も少なくありません。
作成された業務マニュアルは既に業務経験があるメンバーばかりの該当部署では見向きもされない。
ナレッジマネジメントのためにITツールを導入したのに誰も使っていない。
社内資料を共有したけれども社員は相変わらず独自の資料を使って業務を行っている。
なぜナレッジマネジメントで失敗するのか。
その理由は、ナレッジマネジメントを導入する以前の組織運営にあります。三つお伝えします。
ルールに基づく組織運営ができていない従業員個人が保有している暗黙知を文書や図、動画に変換し、形式知として他の従業員に周知したとしても、そもそも手順書、マニュアルといったルールに則って運用する組織でなければ、形式知も機能しません。
そのためにも、当たり前に守るべきルール(例えば、あいさつ、整理整頓、報告など)の運用状況が徹底されることから確認する必要があります。
導入後の目標設定が明確になっていないマニュアル化、ITツール導入、社内情報の一元管理を進める上で目標設定が明確になっていないケースも散見されます。