テストの結果、ネコは画像と単語の組み合わせの入れ替えに気付き、正しい組み合わせを提示した時に比べてモニターの注視時間が長くなりました。
つまり、ネコは「太陽」=「Parumo」というように画像と単語を関連づけることができると証明されたのです。
また、注目すべきことに、1つの画像と単語の組み合わせを学習するのに、ネコはわずか2回の9秒間しかかかりませんでした。
同様のテストにおいて、人間の赤ちゃんは4回の20秒間かかったのと比較すると約4倍の速さという驚くべき結果でした。
現時点では、ネコがこれほど速く学習できる理由は明らかになっておらず、自ら人間との暮らしに適応してきた自己家畜化の結果である遺伝的な能力なのか、あるいは人間と生活しながら経験的に獲得されてきたのかは謎のままです。
また、優秀なイヌは一度覚えた単語を2カ月間記憶しておけるとの研究結果もあり、ネコがどれくらいの期間、学習した記憶を保てるのかも気になるところです。
今後、野良ネコやイヌ、他の家畜との比較研究が行われれば、これらの謎が解明され、ネコ語翻訳機やアプリなどコミュニケーションツールのさらなる発展も期待されます。
少なくとも、今回の研究結果からネコが人間の会話を聞き、単語を素早く学習できることがわかったため、「毎日話しかけても無駄かもしれない」と諦めかけていた飼い主にとっては朗報といえます。
たとえ愛猫が無反応でもめげずに話しかけてみましょう。
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参考文献
Cats associate human words with images, experiment suggests
https://phys.org/news/2024-10-cats-associate-human-words-images.html
元論文
Rapid formation of picture-word association in cats
https://doi.org/10.1038/s41598-024-74006-2