■文科省は「存在しません」と断言

数字を0で割る、いわゆる「ゼロ除算」について、文部科学省・教育課程課の担当者は「学習指導要領に載っていない内容となります」「つまり、小学校の算数教育において『数字を0で割る』指導は、前提として存在しません」と、説明する。

児童の算数教育の話題で、定期的に波紋を呼んでいるのが「超算数」と呼ばれる問題。

こちらは、かけ算(乗法)の文章問題における「答えが合っていても、式に登場する数字の順番が異なればバツ(良くて三角)」というもので、小学2年生の児童らにトラウマ級の辛酸を舐めさせている。

授業中に「式内の数字の順番」の重要性について指導する教員もいるようだが、中には「テストの採点後に初めてこのルールを明かす」教員も少なくないようで、古来より児童はもちろん、保護者に忌み嫌われてきた。

X上でもしばしば、こちらの「超算数」に関する疑問の投稿が大きな話題を呼び、記者も文科省に取材を実施したことが。

下手をすると「悪問」にカテゴライズされる内容だが、こちらは少なくとも「小学校学習指導要領」における「第2学年の内容」の「A 数と計算」の項に登場し、文科省は「ここで述べた被乗数と乗数の順序は、『一つ分の大きさの幾つ分かに当たる大きさを求める』という日常生活などの問題の場面を式で表現する場合に大切にすべきことである」と言及している。

ただし、テスト等で実際に「丸にするか、バツをつけるか」という判断は現場の裁量に委ねられており、いわば「担任教師ガチャ」のようになっているのが現状なのだ。

話を「ゼロ除算」に戻すと、こちらは学習指導要領に掲載されていない内容。つまり、日本史の授業における「武田信玄軍から敗走した徳川家康が、尻の汚れを『これは味噌だ』と主張した」といった雑学的なこぼれ話と、立場的には変わらないのである。