朝にウォーキング、ジョギングといった有酸素運動をすると、脂肪燃焼効果が高いと言われます。
この理由は、前夜の食事から10時間程度の間隔が空いた一晩の絶食状態で運動するため、体内に蓄えられている糖質が少ないことが引き金となり、脂肪を積極的に使うためです。
その一方で、運動で脂肪がたくさん燃えることと、体脂肪が減ることは必ずしもイコールの関係ではありません。
本記事では、一晩絶食状態の有酸素運動の脂肪燃焼効果に加え、脂肪を使っても糖質が余ればダイエット効果が期待できないことなどを説明しながら、朝の運動の是非を考えていきます。
目次
- 脂肪がたくさん燃えるコツは絶食状態での運動
- 朝に運動が計画されると前夜の食事が増える?
脂肪がたくさん燃えるコツは絶食状態での運動
朝に有酸素運動を行うメリットとして、脂肪燃焼効果が高いことがよく言われます。
実際、朝の有酸素運動が脂肪燃焼に効果的であることは科学的にも確認されていますが、そのポイントは「一晩の絶食状態」で運動することにあります。
前日の夕食から約10時間の間隔を空けて運動することで、体はより積極的に脂肪を燃焼させるのです。
この理由の1つは、前日の食事によって肝臓に蓄えられた糖質(肝グリコーゲン)が、朝までの間に血糖値を維持するために消費されていることです。
実際、筑波大学の研究グループらが約10年前に発表した研究を見ても、午前中の朝食前もしくは朝食後に60分間の有酸素運動をした場合、朝食前の条件で脂質酸化量(脂肪燃焼量)が著しく高くなっていました。
しかし、ここでダイエット効果を期待する人には、脂肪がたくさん燃えているからといって、他の時間帯での運動に比べ、消費カロリーが増えるわけではないという注意点もあります。
事実、この研究でも、24時間を通じた総消費カロリーには差が見られなかったことが示されています。