水星で生活するとして、1日を「太陽日」で考えましょう。太陽が1番高い位置に達して、次に高い位置に達するまでを1日とすると、水星での1日は、約176日になります。
太陽のまわりを1回転する公転周期(1年)は88日なので、水星の1日=水星の2年という計算ですね。
しかも、88日間は昼間で太陽が照りっぱなし、次の88日間は夜で日が差さない日が続く(昼間88日+夜88日でまる1日=176日)のを繰り返します。
このことと、重力が小さいので大気がわずかしかないことが、水星の昼間の温度は最高で約430度、逆に夜はマイナス160度という、昼夜で大きな温度差を生み出しています。
なお、昼間は非常に暑くなるにもかかわらず、地軸の傾きが0度なので四季はありません。極に近いあるクレーターには1年中太陽光があたらないので、氷の存在が確認されています。
水星では日の出の途中で突然日が沈むことがある
水星の逆行が話題になっていますが、地球からの見かけの運動の問題とは別に、もし水星で生活した場合、特定のポイントで日の出の途中に太陽が逆行して一度沈み、その後再びのぼる現象が見られることがあります。
公転軌道が楕円形のため、太陽にもっとも近づく前後4日間は水星の軌道速度と自転速度が等しくなるために起こるとのこと。
直径の4分の1以上に相当するクレーター
水星の表面はクレーターでいっぱいです。彗星や隕石の衝突を軽減する大気がほとんど無いですしね。
そんななかで水星の直径の4分の1を占める「平原」が目に付きます。カロリス盆地と呼ばれ、直径1,300kmもあります。およそ36億年前に、直径100キロメートル程度の天体の衝突によって作られたというのが一説。水星を観光するなら、1番の見どころですね。
ほかに水星特有の地形として、リンクルリッジと呼ばれる高さ約2km、距離は最長クラスで約500kmになる断崖がいくつもあります。水星ができたばかりのときは熱かった核が、冷えて収縮したときに星の表面とともに縮んでシワのようになったのではと考えられています。