水星は太陽系でもっとも小さな惑星です。地球のおよそ5分の2ほどの大きさで、重力は約3分の1重さはたったの18分の1ほどしかありません。

いっぽう、太陽系の惑星のなかで地球の次に密度が高く、直径の3分の2から4分の3にもなる巨大な核があると考えられています。

英語名は「Mercury」。ギリシャ神話の世界を飛び回って情報を伝達する神々の使者、ヘルメス(Hermes)からきています。ローマ神話ではメルクリウス(Mercurius)で、英語だとMercuryになるわけです。

ヘルメスは神々のなかでもっとも賢く、すばしっこい神。水星は公転周期が短く、明け方や夕方のわずかな時間にしか見えない素早い動きから、その名を与えられました。

実は地球の1番近くにある惑星

太陽系の惑星の順番といえば、「水、金、地、火、木、土、天、海」。地球の隣は金星と火星です。金星のほうが火星よりも地球に近い軌道をまわっているので、一番地球に近いのは金星だと思ってしまいますよね。

ところが、それぞれの星はたえず公転しており、スピードもさまざま。一定の距離間をキープしているわけではありません。

水星は公転周期が短いので、頻繁に地球と近づきます。こちらの動画をご覧ください。各惑星の公転軌道の平均を見ると、水星は地球から一番近い星、といえるわけですね。

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青が地球、灰色が水星を表す/Credit: Tomment Section / YouTube

このように公転周期の速度もだいぶ地球と異なるため、地球から水星を観測すると年に3回逆行して見えるタイミングがあるのです。

地球とはいろいろ異なる水星の生活

金星は自転が遅く、1日が1年より長いため、まだ今日が終わってないの、1つ年を取ってしまった…となりますが、水星の生活もなかなかのもの。

水星の公転周期は約88日、自転周期は約59日で、太陽の周囲を2回公転する間に3回自転します。