仮に、斎藤氏側が、「折田氏のブログの内容が事実に反する」と主張するのであれば、折田氏は、妄想によって虚偽の内容をブログに記載したことになる。折田氏は、斎藤県政の下で兵庫県地方創生戦略委員や、兵庫県eスポーツ検討会委員などを務めており、今回の選挙で斎藤知事に当確が出た直後に、自身のSNSアカウントの投稿に、斎藤知事と撮った写真とともに

「また、一緒に仕事ができる日を楽しみにしています」

と書き込んでいるが、そのような「妄想」をネット上で公言するような人物に対して、今後県の公職を務めさせることができないことはもちろん、そのような虚偽のブログの記載で斎藤知事に重大な公選法違反の疑惑を生じさせたことについて、不法行為による損害賠償請求を行うことも当然ということになる。

折田氏が、軽率にも、SNSを活用したネット選挙運動での活躍を自慢するブログを書いてしまったことが、せっかく大逆転勝利を収めた斎藤氏を再び奈落の底に落とすことになっている。

なぜ、折田氏がそのようなブログ投稿を行ったのか。そこには、立花氏が、「当選を目的としない候補」として、知事選に乱入し、「元県民局長の不倫問題の隠蔽」を暴露したこと、それがSNS、YouTube動画等で拡散されて、選挙結果に多大な影響を与えたことで、立花氏が斎藤氏逆転勝利の立役者のようにもてはやされていることに我慢がならなかったようだ。

投稿直後のブログの記載によると、折田氏の会社は、1か月近くにわたって斎藤氏のネット選挙運動を全面的に仕切り、それによって作ったイメージが逆転勝利に大きく貢献したとのことであり、その手柄を立花氏に横取りされたことへの不満が、折田氏を、絶対に行ってはならない「会社としての選挙運動の告白」に駆り立ててしまった。

しかし、それも、冷静になって振り返ってみれば、「斎藤知事のパワハラによって自殺者が出た」「パワハラ告発に対する斎藤知事の対応が公益通報者保護法違反」などとの誤った思い込みもあり、有権者の斎藤知事問題に対する認識理解がもともと曖昧であったことで、立花氏が断定的に示した「元県民局長の不倫問題が告発と自殺の真相だ」という話で、有権者が過剰に反応したということであり、もともと、この斎藤知事問題をめぐる経過が異常だったということに他ならないのである。