IGAD(政府間開発機構)という東アフリカの「準地域」機構のLeadership Academyという新設機関の研修の講師(ファシリテーター)を、ケニアのモンバサで三日間にわたって務めた。IGAD構成国である7カ国(スーダン、南スーダン、ウガンダ、エチオピア、ジブチ、ソマリアケニア)から女性リーダーと目される方々20人以上が集まって行われた研修であった。

大変に有意義で、楽しませていただくと同時に、いろいろと学ばせていただいた。それぞれの皆さんが、明るい素振りの裏側に、様々な政治情勢の複雑さを抱えているのは、言うまでもない。

現在進行中の紛争や、紛争後の脆弱な状況を抱える地域も少なくなく、一触即発の国家間関係もある。最も激しい内戦が続行中なのが、スーダンだ。

スーダンからの参加者グループは、スーダンの紅海沿岸の町ポートスーダンからの参加者と、ウガンダのカンパラ在住者がいた。

ポートスーダンからの参加者は、「政府」の課長級の職員であった。スーダンでは、首都ハルツームが激しい戦火の最中にあるので、政府関係者らは紅海沿岸のポートスーダンに拠点を移して、政府活動を続けている。これは一般には「国軍のブルハン」側とされている勢力になる。軍の最高司令官であるブルハン氏が、政変の帰結とはいえ、国家を代表する「主権評議会」の議長を務め続けていることになっているからだ。