元BBCの司会者で肺がんの末期症状に苦しむエスター・ランツェン氏は安楽死支持者です。自分の人生を終えたいと思ったときに死ぬための援助を受けることは、人間としての尊厳を維持することだとランツェン氏は説明しています。

一方、安楽死反対派の一人が元パラリンピック選手のタニ・グレイ=トンプソン氏です。安楽死にするかどうかの選択がどのように決められるかについて懸念があるからです。高齢者、障がい者などが「自分がいない方がよい」と考えてしまう、あるいはそう考えるように説得される可能性もあるでしょう。

レッドビーター議員はそうならないようにする対策を設けることでリスクを回避できるとしています。

11月に入って法案の詳細が明らかになりました。対象範囲はイングランドとウェールズです。北アイルランド、スコットランドは自治政府の管轄になるためです。

法案によると、対象となる人は

イングランドかウェールズの18歳以上の住民で、その地域の主治医に登録して少なくとも1年間を経ている人 自分で選択できる精神能力を持ち、強制がなく、十分に情報を得た状態での意思を明確にできること 半年以内に亡くなる見込みがあること 死の意思において2つの異なる宣言書を立ち合いの下で署名して出していること 安楽死を希望する患者が安楽死についての条件を満たすことを、医師2人が確認していること。2人の医師の確認には少なくとも1週間以上の間が空いていること 高等裁判所が医師のうち少なくとも一人から、そして患者あるいは関連する人物から事情を聞いていること 裁判官が安楽死を認めた後、患者は少なくとも14日間の感覚を置いて、安楽死を実行すること 医師は患者が命をなくするための物質(薬)を準備するが、患者自身が服用すること

などです。

安楽死選択の支持者は増えている?

安楽死を宣言するようにと人に圧力をかけることは違法で、禁固刑14年が下されることもあるそうです。