すなわち、極右政党を排斥するためには、不安定な連立政権に甘んじなければならなくなる。どちらがいいか、といった選択ではない。どちらも国民にとって大きな影響が出てくる。賢明な道は、なぜ極右政党が選挙で多くの有権者の支持を得るかを冷静に分析することではないか。極右政党を支持する国民の票はもはや単なる現政権への抗議票ではないのだ。

テューリンゲン州議会選で第1党に躍り出たAfDを率いるヘッケ氏は反憲法、反民主主義、反ユダヤ主義的な世界観を標榜し、ホロコースト記念碑を「恥の記念碑」と呼んだことがある政治家だ。そのAfDが同州で32.8%の得票率を獲得した。特に、若者の間でAfDの支持者が増えている。同じことが、自由党の支持者にもいえるのだ(「AfD支持者はもはや抗議票ではない」2024年9月4日参考)。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年11月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。