アストン大学のジャッキー・ブリセット(Jackie Blissett)氏は、次のように述べました。

「胎内で繰り返し同じ味に触れることで、出生後に、それらの味への嗜好性が高まると考えられます。

たとえば、胎児があまり好んでいないケール味を与え続けることでその味に慣れ、出生後もケールを無理なく食べられるようになるかもしれません」

これは離乳期に発生する”食わず嫌い”を回避する方法として役立つ可能性を秘めています。

次のステップは、胎児が時間とともに好みでない味に”否定的”な反応をしなくなり、その結果、出生後にそれらの味をスムーズに受け入れるようになるかを明らかにすることです。

この方法が確立されれば、生まれる前から子供の好き嫌いをなくすようにできるかもしれません。

※この記事は2022年9月に掲載したものを再編集してお送りしています。

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参考文献

First direct evidence that babies react to taste and smell in the womb
https://medicalxpress.com/news/2022-09-evidence-babies-react-womb.html

元論文

Flavor Sensing in Utero and Emerging Discriminative Behaviors in the Human Fetus
https://doi.org/10.1177/09567976221105460

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。

編集者

海沼 賢: ナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。