中国では、「肉まん食べよう」という名称の集団サイクリングが話題で、既に当局が取り締まり、今は沈静化されたようだ。ことの発端は、美味しい肉まんを食べたくて数名が自転車で肉まん屋に向かったことをSNSに投稿したことがきっかけ。それに同調した大学生を中心にした若い世代が、「肉まん食べよう」のテーマでサイクリングを始め、一種のムーブメントになり万単位の人々が行動した。
『報道1930』で、その中身について詳細が触れられている。
その原因となるところは、結論は国内経済の落ち込みであることは間違いない。専制主義国家である中国は、習近平の絶対王政の下、共産党という組織的な全体主義に近い政策推進によって、習近平が間違えると共産党が間違い、国民は粛清を恐れ間違っていると分かっていても全員がそちらに向かう。これに反発する国内の動きはあるのだが、依然として中国国内で政変に繋がる動きは出てきそうにない。
その原因は一体、どこにあるのだろう。
中国国内における政変の最初は、1989年の天安門事件だ。中国共産党が恐れるのは、天安門事件の再来であり、民主化に向かう機運が国内全土に広がることだ。
天安門事件の直前、当時の中国の若者も、自転車で天安門広場に向かっていた。その時の若者は、中国を民主化させる為、自分たちが立ち上がるしかないと感じていた。そして、その集まりは中国共産党が恐れるようなクーデターとか政変などではなく、実は希望に満ちた団結だった。
当時の記録映像には、笑顔に溢れた若者の姿が幾つも残っている。難しいことは分からないが、自分たちの未来は自分たちが決める権利があると、彼らは考えていた。
ところが、時の中国共産党は、戦車で若者を捻り潰すことを選んだ。これが、現代中国が犯した過ちの最たるものだ。そして、天安門事件の記録を徹底的に排斥し、歴史上から抹殺しようと試みた。