私自身の経験としても、表向きは「社会貢献」を語っている事業者が、裏では詐欺的なスキームを仕組んでいたり、あるいは自社の従業員を労基法に反するやり方で搾取していたりと、「表に出されると困る要素」を抱えているケースを多く目の当たりにしました。
最近では、「世の中から病気で困る人をなくしたい」と言いながら、医学的に全く根拠のない療法で高額な料金を取っている整体師にも出会いました。
この話は、経営者・事業者に限らず、勤め人にも当てはまると思います。
私自身の勤め人時代を振り返っても、皆の前での挨拶で「社会に貢献したくてこの銀行に入った」と顔を真っ赤にし、涙ぐんで語る人ほど、なぜか後輩へのパワハラが激しかったなと感じています。
このような例を多く目にするにつれて、もはや「社会貢献」というフレーズを軽々しく口にする人を疑うようになり、むしろ「好きな事を追求していたらこの仕事に行き着いた」とか「お金を稼ぎたい「モテたい」」と語っている人のほうが、「率直で信用できるな」と感じるに至りました。
実際、自分の欲望を素直に語るタイプの人のほうが、意外と利他的な行動をしていたり、いざという場面でも裏切らなかったりするように感じます。
仮に裏切られたとしても、「社会貢献」アピールの人に裏切られる場合よりも物質的・精神的ダメージが小さくて済みます。
本音で社会貢献を志している人の特徴では、「社会貢献」を掲げている人が全員「怪しい人」か「未熟な人」に当てはまるかというと、やはり例外はあると思います。
それは、「類まれな大成功を収め、俗世間の欲求をすべて満たしきった人」の場合です。
富・名声・力、その他欲しいものをすべて手に入れた上で、
「もうやりたいことはすべてやりきったから、これからは人の役に立つことをしよう」
という心境に至るのは、人間として自然であると感じます。
有名な大経営者やハリウッドセレブなどで、もはや“良い人アピール”をしなくても十分にイメージが良い人が語る「社会貢献」には説得力がありますし、信用できます。