神社の手水舎といえば、参拝する前に心身を清める場所、神社によっては手水鉢に季節の花などを浮かべて花手水にするところもあります。
しかし、Xユーザーのアライさんが投稿した写真の手水鉢には、飛行機のおもちゃがたくさん浮かんでいます。これは誰かのいたずら……というわけではなく、京都にある飛行神社の手水舎の手水鉢です。
京都府八幡市にある飛行神社は、大正4年に日本航空界の父と呼ばれる二宮忠八が自邸内に創建した神社。航空安全と航空業界の発展を祈願しています。
そんな飛行神社を訪れたのが、宗教建築が好きで年間150社ほど神社巡りをしているというアライさん。百貨店の屋上にある神社やステンドグラスのある神社など、趣がユニークな神社が好きとのこと。
飛行神社に訪れたのは今回が初。イケフェス大阪という近代建築のイベントの前日に、京都に寄る余裕があったので訪れたそう。以前から参拝した人たちのXの投稿を見て、気になっていたのだとか。
実際に訪れた飛行神社は、拝殿を覆うギリシャの神殿のような建築や屋根にはめられていた丸いステンドグラスも素晴らしかったそうです。さらに手水鉢も可愛く、「水浴びしている飛行機たちが見られるのは飛行神社だけと思う」と、写真とともにXに投稿したといいます。
■ コロナがきっかけ
たしかに、飛行機が浮かんだ手水鉢というのは「飛行神社」ならでは。これはいつ頃から始められたのでしょうか。飛行神社にも取材をすると、始めたのはコロナ禍の2021年ごろ。
当時、手水鉢を使用することを自粛しており、花を入れて花手水をしていたそう。ただ、夏になると花が悪くなるのと、飛行機のおもちゃを作っている業者さんが空港の売店が閉まっているので販売できずに困っていると聞き、手水鉢で浮かべられないかと考えたのだとか。
浮かべている飛行機は絵馬のようになっており、願いごとが書かれています。授与所に行けば誰でも奉納でき、この初穂料の利益分は航空少年団などに寄付しているそうです。コロナ禍で辛いことが数多く起こりましたが、素敵なことも新しく生まれているんですね。
(佐藤圭亮)
提供元・おたくま経済新聞
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