結語

こうした筆者の執拗な探し振りに、一部幹事から「そこまでしなくても」との声が上がった。筆者は「知っていたら出たのに」とだけは言われたくなかった。そう伝えると、「今時だからと思ったが、それが幹事の誠意なのかも」と理解してくれ、参加者が17人にまでになったことを喜び合った。

会当日は、その日に判った方を含め6名になった物故者に、事情を知る者が思い出を語り、皆で黙祷した。欠席者の中には、配偶者の看病で来られない方や「脳溢血で動けないので出たいが無理」と電話をくれた方もいた。届いたが返事のなかった方々にも、同じ様な事情がきっとおありなのだろう。

出席者の中にも今年になって骨折した方が3人いた。1人は横断歩道で車に轢かれ腰と右腕を骨折したが16日に退院を強行した。幹事の1人は初打合せ前日に転んで左手首を折り、1人はピアノ指導に熱中する余り丸椅子から転げて腰椎を骨折、リハビリの合間を縫って杖を手に駆けつけてくれた。

以上、「今時」の堅苦しさを縷々書いたが、最たることは「名簿の不在」と「固定電話に出ない」こと。が、これでネットの利便性の副作用である詐欺が防げるなら仕方ない。「今さら」の初同窓会だったが、やって良かった。名簿作りの苦労はもうせずに済むので、2度目を望む多数の声に応えよう。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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