最後にハリス陣営の懸念材料をもう二つ挙げる。一つは大統領選の日に行われる上下両院選の民主党予備選で、マイノリティの党内極左グループ「スクワッド」のジャマール・ボウマン(ニューヨーク州)とコリ・ブッシュ(ミズーリ州)が穏健派候補に破れたこと。メンバーの一人イルハン・オマールはウォルズ知事のミネソタ州選出だ。世論調査とは裏腹に、民主党内にすら極左に対する拒否感が現れつつあるのではなかろうか。
二つ目はハリス/ウォルズの外交だ。目下の米国の最重要案件は中東問題なのに、ハリスは先に行われたネタニヤフ首相の議会演説には出ず、演説後の会談でも塩対応だった。トランプには1期目4年間の実績があるが、ハリス/ウォルズが外国要人と渡り合う図はまるで想像できない。この辺りも内政・経済同様、今後80日間の遊説・討論会やインタビュー、TVCMで彼我の差が鮮明になって行くことだろう。