更に、ペロシ発言にある「“戦場で(on the battlefield)”国家に奉仕した」ことについても疑問符が付けられている。ウォルズの部隊は05年初頭までに、イラク派遣の命令を受けていたにも関わらず。ウォルツは05年5月、「部隊が戦争の準備をしている最中に辞職した」というのである。ハリスのVP候補になったため、彼が18年に知事選に出馬した際に起きたこの問題が再燃した格好だ。
07年のペロシ発言の画像が「掘られた」以上、階級詐称のこともイラク派遣回避のこともウォルズが、その時点かあるいはその後の議員時代に訂正しなかったことを、共和党が牛耳る下院諸委員会が投票までの80日の間に公聴会を開いて追及すると考えて先ず間違いない。
高校教師やフットボールコーチとしてのキャリア、そして田舎の好々爺然とした外貌から、一見穏健そうに見えながら、ミネソタ州知事としての政策が、バーニー・サンダースをも凌ぐほど強固な進歩主義者であることを裏付けていることも報じられている。幾つか事例を挙げれば・・・
ミネソタ州の最大都市ミネアポリスで20年5月に起きたフロイド事件の際、州兵は招集したが連邦政府からの資金援助を固辞し、暴動を悪化させた。 中絶へのアクセスを保証する法律を支持し、労働組合を支援し、厳格な銃規制法を支持し、不法移民に運転免許証を発行した。 他の州から来る未成年者を含む者に対する性別適合手術と治療を保護するための行政命令を制定した。教育レベルの低下も著しく、同州教育省に拠ると彼が知事に就任した翌19年と23年の生徒を比較すると、読解力が59.2%から49.9%に、数学の理解力が55%から45.5%に、各々10%ポイント低下した。 また21~22年度に生徒の30%が慢性的に欠席し、19年度の14%から倍増した。加えて州は「民族学」の要素を義務付ける社会科基準に改訂したが、識者は生徒が過激な世界観を持つ懸念を指摘する。急進派社会科教師だったウォルズの面目躍如だろうか。