その間、金融緩和状態が続くわけで、円安も加わり、企業はぬるま湯に浸かった状態で、新しい産業、企業が生まれてこない。石破首相が「日本経済の活性化、イノベーション、フロンティアの開拓を」と叫んでも、掛け声だけに終わってしまう。政治はアベノミクスを断罪すべきなのに、高市氏のような「アベコベミクス」の支持者が未だに多い。
経済学者の野口悠紀雄氏も「長期にわたる低金利政策によって、生産性の低い投資が行われた」、「米ダウは1992年から30年に12倍になった。日本は1989年末の4万円弱が24年7月に市場最高値(4万2200円)をつけ、30年ぶりの最高値更新(現在は3万円8600円)と大騒ぎしました。「日本は1倍、米国は12倍」です。所信表明演説でこうした問題にも触れれば、危機感が高まるのに、目をつぶってしまう。
編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2024年9月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。