いなばが燃えやすかった背景

本件が文春砲を連射でもらうほどバリューを持ってしまったのは、以下の理由でしょう。

・ちゅーる作っている大企業だったから

はっきりいうと、中小企業(特に地方の)だったら「寮が雨漏りするほど古い」「オーナー一族の召使も兼務」みたいな話は普通にあります。

筆者自身、寮があるって話で求職者集めといて「お前が偉くなったら自分で作っていいよって意味だよ」って言ってる会社をリアルで知ってますね(苦笑)

でも全然ニュースにもなりませんよね。なぜか?中小企業だからです。

中小企業が終身雇用や労基法をきっちり守れてはいないことくらいみんなわかってます。大手なのにコンプラが守れていないからこそニュースバリューがあるんです。

大体、ブラック企業ぶりを報じたいなら、中小企業しかない出版業界を報じればいいじゃないですか。週刊誌編集部なんてどこも100%ブラックじゃないですか(苦笑)

でもそんなの誰も読まないですから。

あとイメージでいうと、誰でも知っているコンシューマー向けの大手というのも可燃性高かったですね。

ゴールデンで可愛い猫ちゃんのCMバンバン流してる会社が裏でこんなことやってるなんて!という流れです。

・よりによって一般職採用の人間がターゲットだったから

一般職採用枠というのは簡単に言うと「全国転勤や残業といった滅私奉公が限定される代わりに出世昇給も制限されるコース」ですね。

転勤徹夜上等でぶっ倒れるまで奉公する前提の総合職はあまりに女性不利なので、主に女性向きに設置されているコースです(表向き女性用とは言われませんが)。

要するに、滅私奉公というブラック要素の無い安全領域みたいなものなんですね一般職というのは。

以前から言っているように、ブラック要素というのは終身雇用の副産物なので、程度の違いこそあれ日本企業はどこも必ずブラック要素はあるものです。

一時期ブラックの代表みたいに言われていた電通なんて、業界最大手で国内トップレベルの賃金水準の就活人気企業ですから。