第102回全国高校サッカー選手権大会における得点王の実績を引っ提げて、今季清水へ加入した高卒ルーキーのFW郡司璃来。リーグ戦では7試合に出場し、ゴールこそ挙げられなかったが推進力やパンチ力のあるシュートなど印象的なプレーも数多く見られた。
シーズン終盤の3試合のうち、第37節のいわき戦で途中出場。続けて最終節の熊本戦には第7節以来となる先発出場を果たしている。いわき戦ではクロスを頭で合わせてゴールへ迫るなど見せ場を作り、熊本戦では相手に持たれる時間も長い展開の中でサイドの突破や反転から鋭いシュートを放つなど持ち味を出していた。
今季清水の最前線では、FW北川航也がゴールにアシストと大車輪の活躍を見せた。また、圧倒的な高さと強さを誇るFWドウグラス・タンキや夏に加入したFWアブドゥル=アジズ・ヤクブといった選手たちも個々に活躍を見せており、彼らの去就にもよるが郡司にとって来季も定位置確保は容易ではないだろう。それでも、そのプレーぶりから出番が来るごとにゴールへの期待感は増している。来季はJ1でどんなプレーを見せてくれるのか、郡司の成長から目が離せない。
虎視眈々とスタメンの座を狙う選手たち
ラスト3試合で出場機会を得た選手はまだ多くいる。最終節でデビューを飾ったGK猪越は、ゲーム序盤ボールを落とす危ない場面もあったがその後は安定したプレーを披露し無失点で勝利に貢献している。同じく最終節では、昨季ファジアーノ岡山へ武者修行に出ていたMF川谷凪や第22節以降に一時期スタメン出場も続いたDF高木践にも出番があった。また、出番はなかったが長く怪我で離脱していたFW加藤拓己がベンチ入りを果たしたことも明るい材料だ。
来季は3年ぶりにJ1の舞台で戦う清水。ラスト3戦で見せ場を作った選手たちはポジションを掴むことができるのか、今冬の動向や新たな補強も含めて今から楽しみだ。