今季出場はこの2試合のみとなったが、限られた機会で確かな存在感を放った沖。今季限りで権田の退団が決定していることもあり、チームにおける重要性は極めて高い。ただし、栃木戦といわき戦でサブに入った下部組織出身のGK梅田透吾や最終節でスタメンに名を連ねたGK猪越優惟ら既存の戦力に加え、U-17日本代表にも選出された高卒ルーキーの加入も内定しておりポジション確保に向けて楽観視はできない。とはいえ、J1の舞台における経験値でリードしていることもまた事実。3年ぶりのJ1に向け頼りになる存在であることは間違いない。


成岡輝瑠(レノファ山口所属時)写真:Getty Images

新たなチームの心臓に:成岡輝瑠

今季清水のボランチ2枚は、下部組織出身のMF宮本航汰と開幕前に鹿島アントラーズから期限付きで加入したMF中村亮太朗、そして夏に町田ゼルビアから期限付きで加わったMF宇野禅斗と主にこの3選手が務めた。そんな中、MF成岡輝瑠はシーズン終盤の第37節と第38節で出番を得た。

第37節いわき戦はゲーム終盤わずかな時間のみの出場となったが、続く最終節のロアッソ熊本戦では先発出場。相手にボールを握られる時間も多くあった中で、好プレーを数多く見せていた。守備では鋭いチェックからのパスカットや前線での素早い切り替えで相手の出足を封じ、攻撃では敵陣深くで自ら仕掛けてゴールに迫るなどゲーム最終盤に交代するまで積極的なプレーを披露。シーズン最終節で大きな存在感を放った。

来季に向けて、中村に宇野と期限付きで加入していた選手の活躍が大きかったボランチは彼らの去就次第で戦力ダウンの懸念もある。しかし、最終節で見せた成岡の活躍ぶりはそんな懸念を十分に軽減させるものだったと言える。また、仮に彼らがそのままチームに残留したとしても、ポジションを奪うに足る力を示したとも言えよう。まだ22歳と伸びしろもたっぷりな成岡。来季は新たな清水の心臓として、J1で躍動する姿を見たいものだ。

郡司璃来(市立船橋高校所属時)写真:Getty Images

さらなる進化に期待:郡司璃来