「てんやわんや」の由来
ここからは「てんやわんや」の由来を解説します。
「てんでん」+「わや」から来たとする説
「てんやわんや」は「てんでん」と「わや」から成り立つ言葉という説があります。
「てんでん」は「各自が勝手に」などの意味を持つ言葉です。
「わや」は関西方言で「むちゃくちゃ」を意味する言葉です。
その「てんでん」と「わや」が合体してできたのが「てんやわんや」とされています。
大勢の人が勝手に振る舞って騒ぎ立てることの表現として使用されるようになったのだとか。
他にもワイワイと騒ぐ「わやわや」から来たとする説、私を意味する「わい」から来たとする説などがあります。
小説家・獅子文六の代表作から普及した言葉?
「てんやわんや」は小説家である獅子文六の新聞小説「てんやわんや」によって庶民の間にも普及した言葉とされています。
新聞小説の「てんやわんや」は昭和23年から翌年にかけて「毎日新聞」で発表された作品です。
作中では四国の田舎町に疎開した男性が個性的な人物たちと出会う様子を描いており、昭和25年には渋谷実監督により映画化もされています。
第1回ブルーリボン賞主演女優賞受賞を受賞するなど、作品の内容だけでなく役者の演技も光る作品だったとして注目されました。
その作品の影響もあって「てんやわんや」という言葉自体も広まったといえるのではないでしょうか。