ー本拠地を置くビンフオック省は東南部の地方都市ですが、地元サッカー熱やクラブの認知度はいかがでしょう?

足達:認知度は徐々に上がっていて観客数にも反映されており、1部クラブよりも多くの観客がスタジアム(6000収容)に足を運んでくれています。今季初戦となったホームのカップ戦では、5000人の観客動員がありました。コンクリートベンチだったバックスタンドを全て個別シートに変えたのですが、それがほぼ埋まるぐらいの観客が入っており、メインスタンドは常にいっぱいです。クラブとして認知度を上げるための活動にも力を入れていますし、プロサッカークラブが何のために存在しているのか、というところからクラブ作りに取り組んでいます。

チケットは昨季まで無料でしたが、今季から販売を開始しました。販売すると観客動員に響くのではという懸念もありましたが、販売初日の15分で目標枚数が達成できました。そういう意味でも地元での認知度は高いと感じています。初年度なので、全席を完売させようとは考えていなくて、メインスタンドとバックスタンドで差別化しようということでチケットを販売しました。メインスタンド側(2500収容)が完売して、大口購入した方々がクラブのために購入分を無料開放していただいた関係で多くの方が無料で試合を観戦できることになりました。

この点については、日本のプロクラブの考え方からすると、もっとチケットを売るべきじゃないかという話も出ましたけれど、ベトナムの文化やビンフオック省という土地柄、まだ我々が2部で戦っているということなどを踏まえて、来季に向けたステップと考え、このような対応になりました。


足達勇輔氏 写真:Truong Tuoi Binh Phuoc FC

CEO就任の経緯や業務は

ー日本人として初めてVリーグのクラブCEOに就任されたわけですが、改めて就任までの経緯をお聞かせください。