2006年、イタリア代表をキャプテンとしてW杯優勝に導いたDFファビオ・カンナヴァーロ(2011年引退)がバロンドールを受賞した。同氏の受賞は驚くべきことではなかったが、ブッフォンもまたその栄冠にふさわしい活躍を見せた。
そのW杯で、当時ユベントス(イタリア)の守護神だったブッフォンは大会記録となる5試合連続無失点を達成し、全試合でわずか2失点に抑えた。さらに、決勝(1-1/PK5-3)の延長戦では当時フランスのエースであったジネディーヌ・ジダン(2006年引退)の決定的なヘディングシュートを見事にセーブし、イタリアの優勝に大きく貢献していた。
カフー(ブラジル)
DF(バロンドール最高順位:2002年14位タイ)
DFカフー(2008年引退)は史上最高の右サイドバックの一人として知られている。それでも、なぜバロンドールを獲得することができなかったのか?それは、ブラジル国内で元祖怪物ロナウド(2011年引退)やその他の多数のスター選手たちの影に隠れがちだったからなのは言うまでもないだろう。
さらに、カフーのポジションと役割が影響した可能性も考えられる。右サイドバックとして、彼は驚異的なスタミナと攻守のバランスを兼ね備え、チーム全体のパフォーマンスを底上げする存在だった。そのため、FWや攻撃的MFのような目立つ評価を得るのが難しかったことも要因として挙げられるだろう。
また、全盛期は、バロンドールが個人のカリスマ性やスター性を特に重視していた時代とも重なる。FWロナウドやMFロナウジーニョ(2018年引退)といったブラジル人選手はその華やかなプレースタイルとゴールシーンで世界中の注目を集めたが、カフーのような献身的なプレースタイルは、その影に隠れてしまいがちだった。