私たち一人だけが持っている名前のようなものです。
つまり、ヨーダにならヨーダだけが発する鳴き声パターンがあるのですが、なぜか彼はそれを3つも持っていました。
フィラトヴァ氏は「もし彼が一人でいることを事前に知っていなければ、少なくとも3頭のハンドウイルカが交流をしているように見えたでしょう」と話しています。
では、なぜヨーダはひとりぼっちなのにこんなに喋りまくっていたのでしょうか?
研究者らは当初、地元のパドルボーダー(パドルを漕ぐ人々)とコミュニケーションしようとしているのではないかとも考えましたが、人々がいない夜間も変わらず鳴き声を発していたので、これは明らかにヨーダの独り言でした。
独り言を発している本当の理由はヨーダに聞いてみないとわかりませんが、研究者らは「社会的孤立がヨーダに自己対話を促した可能性がある」と指摘しています。
ハンドウイルカは私たち人間と同じように、仲間と会話をすることで社会的絆を維持する生き物です。
しかしヨーダは仲間との社会的交流が絶たれているため、自分で自分を刺激したり、慰めるために自己対話(つまりは独り言)を発していると考えられます。
私たちもひとりぼっちで孤独を感じていると、自分で自分に突っ込んでみたり、頭の中の考えを声に出してみたり、とりあえず歌を歌ってみたりと、気を紛らわしたり、ストレス発散をすることがあるでしょう。
それと同じことをヨーダはしていたのかもしれません。
またチームは他の仲間を探して呼びかけている可能性も指摘していますが、「ヨーダはすでに3年間も同じ海域で過ごしており、他に仲間がいないことは十分に理解しているだろうから、その可能性は低い」と述べています。
しかし、独り言のような自己対話ができることはイルカが非常に賢いことの証拠です。
ヨーダは今日もひとりでブツブツ独り言を呟いているのかもしれません。