目次
オデッセイが最初ではない!FF乗用車ベースミニバンの登場
それでもまだまだ時代はセダンやハッチバック、クーペだった1980年代
オデッセイが最初ではない!FF乗用車ベースミニバンの登場
FF乗用車をベースに、ステーションワゴンより背が高く広々としたキャビンに3列シート6~8人乗りとしたミニバンは、1994年の初代ホンダ オデッセイの爆発的ヒットでRVブームを牽引しますが、そのジャンル自体は1980年代前半から既にありました。
そもそも「乗用車やピックアップトラックのシャシーをベースにしたミニバン」そのものは昔から存在していたものの、乗用セダンのFF(フロントエンジン・前輪駆動)化でパワーユニット部分の極小化、キャビンの極大化が可能になったのが1980年頃の話。
北米で流行り始めていたこの種のミニバンを、日本でも作って北米に輸出仕様という動きは当然あって、FF車が得意なホンダも研究そのものはしていたものの、実用性一点張りのスタイルが市場に受け入れられるかはなかなか度胸がいったところ。
そこで先行したのは、日産がスタンザをベースに開発した「プレーリー」(初代1982年)、三菱がトレディアをベースにした「シャリオ」(初代1983年)で、それぞれ後のヒット作に比べれば習作といった出来であり、人気が出るのはまだまだ先。
しかし、プレーリーは現在のトヨタ シエンタやホンダ フリードに連なるコンパクトミニバンのはしりとして、早くからターボエンジンを積んだシャリオは一時期ちょっと流行ったGT的なスポーツミニバンのはしりとして、歴史的意義の大きいミニバンでありました。
それでもまだまだ時代はセダンやハッチバック、クーペだった1980年代
これら「1980年代初期のささやかなブームを支えた新時代RV」は、改良を重ね、あるいは後発モデルの登場で1990年代に爆発するRVブームの土台となっていきますが、実際に乗用車として認められるのはまだまだ先の話。
クロカンはあまりに無骨すぎてタフでも快適性や操縦性が一般向きではありませんでしたし、キャビン床下でエンジンがうなる1BOXミニバン、欲張った開口部に対してボディ剛性不足も目立ったFFミニバンも同様。
スポーツワゴンやトールワゴンは1980年代末~1990年頃からようやく形になりだすという段階で、「1980年代のRV」はまだ大ブームになることなく、ユーザーが望んで買ったのは屋根を低くしてスポーティさを増すセダンやハッチバック、クーペの類でした。
それがいよいよ「RVブーム」となる1990年代に何が起きたかは、また次回のお話です。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
【関連記事】
・【新車情報カレンダー 2021~2022年】新型車デビュー・フルモデルチェンジ予想&リーク&スクープ
・運転免許証で学科試験の点数がバレる?意外と知らない免許証の見方
・今一番危険な車両盗難手口・CANインベーダーとは?仕組みと対策方法
・SNSで話題になった”渋滞吸収車”とは?迷惑運転かと思いきや「上級者だ」と絶賛
・トヨタ 次期型ノア&ヴォクシーに関する最新リーク情報すべて