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実は1980年頃から販売され、ブームの下地を作った「RV」
クロカンや商用車をカッコよく乗ろう!が始まる1970年代末
実は1980年頃から販売され、ブームの下地を作った「RV」
今では販売店のチラシや、過去のブームに言及したWebサイトの記事くらいでしか目にする機会はなくなった「RV(Recreational Vehicle:レクリエーショナル・ビハイクル)」。
何となくパジェロとかSUVブームの走りでしょ?と認識する人が多いかもしれませんが、RVブームの中でもSUVはほんの一部に過ぎず、案外広いジャンルが「RV」として脚光を浴びたものです。
それも1990年代こそRVブーム!それ以前は…という考え方が多いものの、実際に各メーカーからRVに相当する車種が登場した時期を見ると、1980年前後からユーザーからの需要を汲み取った「RV」が発売されていたのがわかります。
爆発的ブームとなる1990年代から少し前、1980年代の初期RVブームを見てみましょう。
クロカンや商用車をカッコよく乗ろう!が始まる1970年代末
1966年、手頃な価格で高性能・高品質を実現した日産 サニーやトヨタ カローラの初代モデルが登場した「マイカー元年」を経た日本では、急速にマイカー保有世帯が増加し、「一家に一台」が少しずつ当たり前になっていくと、休日のレジャーにも当然活用されます。
ただし庶民の憧れはスポーツカー…は実用性の問題で難ありとして、トランクにそこそこ荷物が積めて、家族4~5人が旅行や帰省に使えるセダンでした。
ただ、1970年代に入ると厳しい排ガス帰省、オイルショックによる省エネ要請でエンジンはパワーダウンしていく一方、安全性向上も叫ばれてボディ重量は増加、アクセルを踏んでもパワーは出ないし軽快に走りもしない、自動車にとっての「暗黒時代」が到来します。
マイカーを所有したいという流れは止まらなかったのですが、大してスポーティな走りもしないなら、仕事向けで頻繁な加減速に対応し、荷物が積めて実用性の高い1BOX車やライトバン、悪路走破性の高いクロカン(クロスカントリー)車が注目されたのでしょう。
それまで主に仕事でしか使われていなかった商用車や、クロカン4WD車でキャンプやハイキングなどレジャーに活用しよう、どうせならカッコよくカスタマイズして乗ろうという動きがユーザーから出てきたようです。
後の1990年代RVブームから比べればささやかなものですが、メーカーもそうしたユーザーの好みが多様化するのに対応し、「仕事向けとはちょっと違う、パーソナルユーザー向け」を発売するようになりました。
それが1970年代前半までの「メーカーから”こんな使い方はどう?”」と提案された車種との線引は少々曖昧ですが、1980年代初期RVブームの始まりは1970年代末、1979年にトヨタ ランドクルーザー(40系)にファブリックシートなど乗用ユース向け内装を施した特別仕様車が発売されたあたりだと思われます。