目次
スポーツタイヤとは?
スポーツタイヤの選び方と注意点
現役レーサーがおすすめするスポーツタイヤ
サーキットメインユーザー向けスポーツタイヤ6選
街乗りメイン、たまにサーキットエンジョイ勢向けスポーツタイヤ5選
スポーツタイヤとは?
スポーツタイヤとはエコタイヤなどと比べ、運動性能が引き上げられたタイヤのこと全般を指しています。
曲がる、止まる、進む、というタイヤに要求されるすべての性能が高くなっており、スポーツタイヤという呼ばれ方から、スポーツカーにしか装着されていないと思いがちですが、一般乗用車や高級車など幅広い車種にメーカー純正でも採用されています。
この記事では、普段レーシングドライバー&タイヤ開発ドライバーとして様々なハイグリップなタイヤを経験してきた筆者が、一般ユーザーがスポーツタイヤを選ぶ時に注意するポイントやおすすめのタイヤを紹介していきます。
岡本 大地
ミドルフォーミュラ、スーパー耐久、86/BRZレースに参戦しているドライバー。ライトウェイトでスポーティなクルマが好きな一方、普段は軽四のバンを乗り回す。愛車はホンダ・アクティバンとスバル・BRZ。
一般的なタイヤ(エコタイヤ)とは何が違うの?
一般的にはエコタイヤなどと呼ばれる、低燃費性能に特化したタイヤよりも、タイヤの接地面積やタイヤのコンパウンドと呼ばれるゴムの柔らかさなどが大きく異なっています。
エコタイヤの方がより硬いコンパウンドが採用されており、転がり抵抗を軽減させて燃費性能を向上させています。反対にスポーツタイヤでは柔らかいコンパウンドが採用され、より良いタイヤのグリップ力を発揮してくれます。また、そのせいで転がり抵抗がエコタイヤと比べて大きく、燃費性能では劣ることもお忘れなく。
また、スポーツタイヤはタイヤの耐久性も低いため、エコタイヤよりも早いスピードでタイヤの摩耗が進みます。
さらには同じタイヤサイズでスポーツタイヤとエコタイヤを比較しても、タイヤの接地面積がエコタイヤと比べて広いため、ロードノイズが発生しやすいトレッドパターン(タイヤ表面の溝の造形)となっており、静粛性においてもスポーツタイヤの方が劣ってしまいます。
ここまで聞くと、スポーツタイヤの良いところなんて一つも無いように聞こえてしまいますが、低燃費性能、耐久性能、静粛性と引き換えにグリップ性能を引き上げることで、クルマが本来持つ性能を引き出し、安全性と軽快なドライビングを得ることができます。
また近年では、スポーツタイヤの中でも、エコタイヤとの性能を両立したタイヤなども登場しており、スポーツタイヤだからといってすべてがグリップ性能だけが引き上げられたタイヤとは限りません。
スポーツタイヤの選び方と注意点
スポーツタイヤの中にもいくつもの種類が存在しており、セミレーシングタイヤ(Sタイヤ)、リアルスポーツ、プレミアムスポーツ、カジュアルスポーツ、などが代表的な分類となっています。(ブリヂストンの分類を参考にしました。)
セミレーシングタイヤになるほどグリップ性能が高いという区別になっています。
カジュアルスポーツになるほど、エコタイヤとの両立が図られているため、快適性能やウェット路面での走行性能を優先される方はプレミアムスポーツやカジュアルスポーツといったタイヤをおすすめします。
逆にサーキットに頻繁に行くような方やより高いグリップを求めるかたにはリアルスポーツタイヤがおすすめです。
セミレーシングタイヤでの一般道走行はおすすめできない
注意する点としては、セミレーシングタイヤ、通称Sタイヤと呼ばれるほぼサーキット専用とされるタイヤはグリップ性能は抜群に優れている一方で、ウェット路面での排水性能の低さや、グリップ性能を優先した結果、タイヤの耐久性が著しく低くなっているという点。
なかには、一番おいしいグリップ力が10分間もつかもたないかというタイヤも存在しています。
さらに、セミレーシングタイヤで公道を走行した場合、雨では全くグリップしてくれないという点にも注意しましょう。車検対応タイヤではあるものの、状況によっては非常に危険なドライビングとなってしまいます。
本当にセミレーシングタイヤは雨ではまるで氷の上かのようにグリップしないので、絶対に一般道ではおすすめしません!
また、スポーツタイヤというグループの中でもコスト面で大きく差がありますが、一般的にはセミレーシングタイヤはグリップ力もタイヤ価格も高いという認識で間違いありません。
以上のことから、初めてスポーツタイヤを選ぶ際は、セミレーシングタイヤは少しハードルが高いかもしれません。