「セゾンゴールド・アメックス」は、1万円超の年会費ながら特典が非常に充実している。十分に活用できれば、圧倒的にコストパフォーマンスの良いカードだ。ここでは、このカードのメリットである特徴とその活用法について詳細に紹介しよう。

目次
1,カードの基本スペックと審査基準
2,セゾンゴールド・アメックスの4つのメリット
3,ポイントサービス、還元率
4,セゾンゴールド・アメックスの2つのデメリット
5,セゾンゴールド・アメックスがおすすめなのはどんな人?

1,カードの基本スペックと審査基準――海外でのステータス性が高い

クレディセゾンが発行するセゾンゴールド・アメックス(セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード)は、強力な特典・サービスの数々と、通常のセゾンカードよりも高いポイント還元率が魅力のゴールドカードだ。

ここではまず、基本スペックから紹介しよう。

セゾンゴールド・アメックスの基本スペック……年会費、追加カード、電子マネーなど

国際ブランド アメリカン・エキスプレス
年会費 1万1,000円(税込) 
※初年度無料
家族会員1,100円(税込) 
※本会員の年会費無料期間は無料
ポイントサービス 永久不滅ポイント
通常ポイント還元率 国内利用0.75%
海外利用1%
ポイント交換対象 Amazonギフト券
dポイント
JAL/ANAマイルなど
空港ラウンジサービス 国内主要33空港+ハワイ・ホノルル
プライオリティ・パスに
優遇年会費(税込1万1,000円)で登録可
付帯保険 海外旅行傷害保険(自動付帯)
国内旅行傷害保険(自動付帯)
海外航空便遅延保険(自動付帯)
ショッピング安心保険(利用付帯)
追加カード 家族カード
ETCカード
電子マネー 【おサイフケータイ経由】
QUICPay
iD
【Apple Pay経由】
QUICPay
(※セゾンゴールド・アメックスのホームページを元に筆者作成)

――年会費はゴールドカードとしては一般的だ。しかし、空港宅配無料特典や最高級ホテルの優待など、プラチナカードで提供されるような内容が一部含まれており、ゴールドとプラチナの中間的なカードとなっている。それをゴールドの年会費で利用できるわけだから、非常にコストパフォーマンスの高いカードだろう。

審査基準・審査難易度……年収300万円が目安

入会資格は「安定した収入があり、社会的信用を有するご連絡可能な方(学生・未成年を除く)」となっている。このことから、専業主婦が本会員になるのは難しく、雇用形態もある程度は審査を左右しそうであると推測できる。

年収条件に関しては、口コミ情報から年収300万円以上で審査通過の可能性があると思われるが、すでにクレディセゾン発行のカードでクレジットヒストリー(クレジット利用履歴)を積んでいれば、これより少ない年収でも通過しそうだ。

年会費を下げる方法……年会費実質無料になるキャンペーンも

スマホアプリ「セゾンクラッセ」を導入し、カード利用やアンケート回答などでクラスを上げた上で「セゾンゴールド・アメックス」に申し込むと、「カード年会費優遇特典」が適用されるキャンペーンが過去実施されている。

不定期開催なので「セゾンクラッセ」内のお知らせを注視するしかないが、これまでの特典から推測し、年1回のカード利用により家族カードも含めて年会費無料で会員資格を維持できる内容となるようだ。

そこで、まずは年会費無料の「セゾンカードインターナショナル」などを作って「セゾンクラッセ」のクラスを上げておき、キャンペーンを待つのも1つの方法だろう。

ステータス性……海外では良い待遇を受けられることがある

アメックスの自社発行ゴールドカードはステータス性の非常に高いカードだが、この「セゾンゴールド・アメックス」は流通系ゴールドカードのイメージから、そこまで高いステータス性はない。

ただし、アメックスのシンボル「古代ローマ軍の百人隊長」が大きくクローズアップされたカードフェイスのおかげで、セゾンカードを知らない海外では「アメックスのゴールドカード」として、高いステータスのカードと認識されるようだ。そこで、ホテルなどで通常以上に良い待遇を受けたという口コミも見受けられる。

セゾンブルー・アメックスとの違い……26歳未満ならこちらも選択肢に

ここで参考までに、ワンランク下のカード「セゾンブルー・アメックス(セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カード)」との間で基本スペックを比較しておこう。

セゾンゴールド・アメックス セゾンブルー・アメックス
年会費(税込) 1万1,000円
※初年度無料
3,300円
※26歳になるまで無料
※26歳以上は初年度無料
家族会員年会費
(税込)
1,100円
※本会員の年会費無料期間は無料
入会資格 安定した収入があり、社会的信用を有する
連絡可能な方(学生・未成年を除く)
18歳以上の連絡可能な方
(高校生を除く)
通常ポイント
還元率
国内0.75%
海外1%
国内0.5%
海外1%
空港ラウンジ
サービス
国内主要33空港+ハワイ・ホノルル
プライオリティ・パスに優遇年会費
(税込1万1,000円)で登録可
旅行傷害保険 海外最高5,000万円(自動付帯・家族特約付き)
国内最高5,000万円(利用付帯)
最高10万円の海外航空便遅延保険
海外最高3,000万円(自動付帯)
国内最高3,000万円(利用付帯)
ショッピング
安心保険
年間200万円限度 年間100万円限度
(※各社のホームページを元に筆者作成)

――これを見ると、ゴールドが保険の補償内容がより拡充されていることが分かる。また、空港ラウンジサービスの有無も大きな違いとなっている。

「セゾンブルー・アメックス」は26歳未満なら年会費無料だ。年会費が無料となる場合、旅行傷害保険の内容を考えると圧倒的にお得なカードといっていいだろう。ただし、26歳以上の人や、家族での海外旅行の機会の多い人なら「セゾンゴールド・アメックス」が便利でお得なカードとなってくれそうだ。

2,セゾンゴールド・アメックスの4つのメリット――対象空港の多い空港ラウンジ、多種多様な優待、家族特約が充実した旅行傷害保険など

メリット1,対象空港の多い空港ラウンジサービスが魅力 プライオリティ・パス年会費優遇も

国内の主要33空港とハワイ・ホノルルの空港(ダニエル・K・イノウエ国際空港)のラウンジを無料で利用できる空港ラウンジサービスが付帯する。利用可能なラウンジのある国内空港は次の通りだ。

新千歳空港 函館空港 旭川空港 青森空港
秋田空港 仙台国際空港 新潟空港 富山空港
小松空港 成田空港 羽田空港 富士山静岡空港
中部国際空港 関西国際空港 神戸空港 伊丹空港
(大阪国際空港)
岡山空港 米子鬼太郎空港 広島空港 出雲縁結び空港
山口宇部空港 高松空港 徳島阿波おどり空港 松山空港
北九州空港 福岡空港 大分空港 長崎空港
阿蘇くまもと空港 宮崎ブーゲン
ビリア空港
鹿児島空港 那覇空港
佐賀空港
(※セゾンゴールド・アメックスのホームページを元に筆者作成)

――国内空港ラウンジサービスの対象が33空港というのは多い方であり、利便性の点で高く評価していいだろう。

このカードでは、148以上の国・地域、600以上の都市で1,300ヵ所以上の空港ラウンジを無料で利用できる「プライオリティ・パス」のプレステージ会員(通常年会費429米ドル)に優遇年会費(税込1万1,000円)で登録することも可能だ。

年会費が4万円以上お得になるわけだが、カード年会費と合わせて2万2,000円(税込)となるので、この金額を出すのであればワンランク上の「セゾンプラチナ・アメックス(セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード)」も選択肢に入ってくる。

年会費2万2,000円(税込)の「セゾンプラチナ・アメックス」は、「プライオリティ・パス」のプレステージ会員に無料で登録可能だ。「セゾンゴールド・アメックス」にはない他の特典もあるので、「プライオリティ・パス」を利用するのが確実なら、必然的にこちらを選ぶことになる。

メリット2,トラベル関係の優待が充実 旅がもっと便利でお得になる

このカードでは、トラベル関係の優待として次のものを利用できる。

サービス名・優待店舗名 サービス内容
手荷物無料宅配サービス 空港→自宅の宅配でスーツケース1個まで無料、
2個目以降は1個ごとに200円引き。
自宅→空港は1個につき100円引きで利用できる
(対象空港:成田国際空港、羽田空港、
中部国際空港、関西国際空港)
コートお預かりサービス 冬季にコートなどが不要な地域へ旅行する場合に
空港で預かってくれるサービス。
成田国際空港、中部国際空港、
関西国際空港は20%オフ、羽田空港は60%オフ
海外用Wi-Fi・
携帯電話レンタルサービス
複数の海外用Wi-Fi・携帯電話レンタルサービスで
優待料金などが適用される
ワールドおみやげサービス 世界のお土産をネットやカタログで選び、
帰国後に受け取れるサービスで全商品10%オフ。
さらにポイント2.5%還元となる
tabiデスク 大手旅行会社のパッケージツアーが最大8%オフ
HISセゾン・UCデスク H.I.S.の海外パッケージツアーが2%オフ
海外アシスタンスデスク 海外拠点で現地観光情報、レストランなどの予約、
各種チケット手配、トラブル時の対応などに
対応してもらえる
トラベルコンシェルジュ 専任のトラベルコンシェルジュがオーダーメイドの
旅作りのサポートをしてくれる
リゾート「休暇村」 宿泊料金(1泊2食付き)が10%オフ
ハーツレンタカー 世界145ヵ国、1万200以上の拠点を持つ
ハーツレンタカーが5~20%オフ。
ワンランク上の車種への無料アップグレードも可能
オリックスレンタカー 会員限定のお得なプラン、優待価格が提供される
(※セゾンゴールド・アメックスのホームページを元に筆者作成)

その他、2021年3月31日までの期間限定となるが、京都・二条城近くの三井総領家邸宅跡地に誕生した新しいラグジュアリーホテル、「HOTEL THE MITSUI KYOTO」にて次の優待が提供される。

(※セゾンゴールド・アメックスのホームページを元に筆者作成)

――空港での手荷物宅配が無料になるサービスは、一般的にはプラチナ以上のカードでないと付帯しない。これも含め、このカードのトラベル優待は非常に充実したものといっていいだろう。

メリット3,ショッピング、グルメ、ヘルスケア、ビジネスなど多種多様な優待 十分活用できたら圧倒的にお得!

トラベル関係以外にも、このカードではさまざまな分野の多種多様な優待を利用できる。全てを活用できなくても、いくつか利用するだけでお得さを実感できるはずだ。優待の一覧は次の通りである。

ジャンル 優待店舗名 優待内容
ヘルス&
ビューティー
24/7Workout パーソナルトレーニングジム
「24/7Workout」の入会金
(税込2万900円/4万1,800円)が
無料になる
コナミ
スポーツクラブ
全国のコナミスポーツクラブ
および提携施設約500ヵ所を
法人会員料金で利用できる
エグザス スポーツジム「エグザス」を
法人料金で利用できる
スタジオ・ヨギー 全国16ヵ所のヨガスタジオ
「スタジオ・ヨギー」を優待料金で
利用できる
整体・
リフレクソロジー
「リフレーヌ」
入会金(税込1,100円)が無料。
さらに施術コース代金、商品代金が割引
ファストドクター 現役医師が最短30分で自宅へ診察に
来てくれる往診型夜間救急サービス
(健康保険適用)で、交通費1,400円を
1,000円に値引き
エステサロン
「エルセーヌ」
施術コース代金、商品代金が10%オフ
ヘアサロン
「Ash
(アッシュ)」
カット・カラー・パーマ料金
最大50%オフ(2回目以降30%オフ)
などの優待を受けられる
ショッピング 高級
タイムセールサイト
「セゾンカード
×LUXA
(ルクサ)」
ぜいたく体験を最大90%オフ
で提供する
「LUXA(ルクサ)」で使える
500円分のギフト券をプレゼント
西友・リヴィン・
サニー
毎月第1・第3土曜日の恒例開催日
および特別開催日に全国の西友・
リヴィン・サニーで食料品から
衣料品まで5%オフ
ロフト 毎月、月末の金土日に
全国のロフトで5%オフ。
また年数回の優待会も開催される
パルコ 毎月第1土・日曜日は全国の
パルコが5%オフ
ノースポート・
モール
港北ニュータウンの
「ノースポート・モール」
の対象ショップで割引、プレゼント、
駐車場1時間無料などの優待を受けられる
ライフスタイル Sakaseru フラワーギフトサービス
「Sakaseru」での5,500円
(税込・送料別)以上の購入で3%オフ
一休プレミア
サービス特別
キャンペーン
「一休.com」のプレミアサービス
「プラチナステージ」の資格を
最長1年間体験できる
アクアクララ 水の宅配サービスでサポート料
(税込1,100円)が初月無料。
また初回のみ12Lボトル
1本分の価格で3本が提供。
さらに無料チケット4枚プレゼント
(税込5,184円相当)
宅配ネット
クリーニング
「リネット」
クリーニング代金55%オフ。
送料無料。
プレミアム会員費用
(月額税込429円)が3ヵ月無料
その他 アメリカン・
エキスプレス・
コネクト
アメックス加盟店の優待情報を
まとめて紹介するウェブサイト
カレコ・カーシェア
リングクラブ
月会費(980円)2ヵ月間無料、
2,000円分のクーポンプレゼント、
ポイント1%還元などの優待が適用
セゾン
弁護士紹介
サービス
第一東京弁護士会を通じて
弁護士を無料で紹介(相談料は有料)
全自動クラウド型
会計ソフト
「freee(フリー)」
個人事業主・法人向けプランの
利用期間が最大3ヵ月間無料
ビジネス書
要約サイト
「flier(フライヤー)」
読み放題プランが30日間無料。
月額利用料金が常時15%オフ
会員限定
チケットサービス
e+イープラス
人気公演チケットが先行予約や
優待割引など会員限定特典付きで
提供される
(※セゾンゴールド・アメックスのホームページを元に筆者作成)

――これを見ると、健康・美容の優待が充実するほか、ビジネス関連の優待も特徴的だ。近くに西友があるなら、そこでの5%オフ優待も普段使いにうれしいサービスといっていいだろう。ここに挙げた中ですでに利用しているか、これから利用したいサービスや店舗があれば、このカードはかなりのお得を提供してくれるはずだ。

メリット3,最高5,000万円の旅行傷害保険は家族特約付きで家族旅行にも安心! さらに航空機遅延保険、ショッピング保険も付帯

このカードには海外・国内旅行傷害保険のほか、海外航空機遅延費用等保険、ショッピング保険が付帯する。以下、その詳細を紹介しよう。

・旅行傷害保険……最高5,000万円

最高5,000万円の海外・国内旅行傷害保険が付帯。うち海外は自動付帯、国内は利用付帯となる。どちらも会員の家族にまで保険が付帯する家族特約付きだ。会員の配偶者のほか、本会員または配偶者と生計をともにする同居親族、別居の未婚の子どもまで、その対象に含まれる。

保険の詳細は次の通りだ。

海外旅行傷害保険(自動付帯)

保険項目 補償金額
本会員 家族特約対象者
傷害死亡・後遺障害 5,000万円 1,000万円
傷害治療費用 300万円
疾病治療費用 300万円
賠償責任 3,000万円
携行品損害 30万円
救援者費用 200万円
(※セゾンゴールド・アメックスのホームページを元に筆者作成)

国内旅行傷害保険(利用付帯)

保険項目 補償金額
本会員 家族特約対象者
傷害死亡・後遺障害 5,000万円 1,000万円
入院日額 5,000円
通院日額 3,000円
(※セゾンゴールド・アメックスのホームページを元に筆者作成)

・海外航空機遅延費用等保険……最高10万円限度

海外旅行時、航空機の遅延や手荷物の遅延・紛失によって生じた損害や出費について、以下の通り補償される。

海外航空機遅延費用等保険

保険項目 補償金額限度
寄託手荷物遅延 10万円
寄託手荷物紛失 10万円
乗継遅延費用 3万円
出発遅延費用 3万円
(※セゾンゴールド・アメックスのホームページを元に筆者作成)

・ショッピング安心保険(ショッピング保険)……年間200万円限度

カードで購入した商品の購入日から120日間、火災・破裂・爆発・破損・盗難など偶然の事故による損害が年間200万円を限度に補償される(1万円未満の損害・修理額は対象外)。

――ショッピング保険の補償金額はゴールドカードにしては少ない印象もあるが、一方で家族特約の対象者の幅が広いのは高く評価できる点だ。特に家族旅行の多い人には大きなメリットとなるだろう。また、海外のみの適用となるが、航空機遅延費用等保険の最高補償金額10万円というのも、この種の保険としては金額が大きい。

3,ポイントサービス、還元率――航空系ゴールドカードの代わりに使う選択肢も

ポイントサービスも、ここで見てみよう。

貯まるポイントと還元率……通常0.75%還元

貯まるポイントは「永久不滅ポイント」で、クレジット支払い1,000円ごとに1.5ポイント(約7.5円相当)が貯まる。ポイント還元率は0.75%。一方、海外利用分は1,000円ごとに2ポイント付与、ポイント還元率は1%だ。なお、「永久不滅ポイント」の名の通りポイントには有効期限は存在しない。

貯まるポイント 永久不滅ポイント
ポイントの貯まり方 1,000円ごとに1.5ポイント
通常還元率 0.75%(国内)
1%(海外)
有効期限 無期限
(※セゾンゴールド・アメックスのホームページを元に筆者作成)

ポイントの交換対象……カード年会費にも充当可能

ポイントは賞品への交換のほか、各社ギフト券・ポイント、航空マイルなどに交換できる。また、カード利用金額やショッピングの支払いにも充当可能。その他、ポイントによる投資体験や積み立て投資も可能だ。

次に交換対象と、交換に必要なポイント数をともに紹介しよう(一部抜粋)。

交換対象 必要ポイント数 交換対象単位
スターバックスカード 100P 450円分
永久不滅ウォレット
(オンライン電子マネー)
Amazonギフト券 200P 1,000円分
dポイント 1,000P
nanacoポイント 920ポイント
Pontaポイント 900ポイント
ポイントdeお買い物サービス
(カード利用代金に充当)
900円分
JALマイル 500マイル
ANAマイル 600マイル
WebMoney 300P 1,000円分
App Store&iTunes コード 1,100P 5,000円分
JTB旅行券 1,200P
(※セゾンゴールド・アメックスのホームページを元に筆者作成)

――この他、2,000ポイントを「セゾンゴールド・アメックス」の次年度年会費に充当できる。このように、主要なポイントやギフト券に交換可能なので、分散したポイントも比較的まとめやすいはずだ。

ポイントアップの方法……セブン-イレブンで1.75%還元可能

セゾンカードの多くは0.5%還元なので、このカードで国内利用0.75%還元、海外利用1%還元となることは、それだけですでにポイントアップが適用されているに等しい。

しかし、国内利用分はそれでもなおポイント還元率が高いとはいえないので、さらなるポイントアップを図りたいところだ。

このカードのポイントアップ手段には主に次の2つがある。

・方法1,ネットショッピングで「セゾンポイントモール」を経由する

ネットショッピング時にはポイントサイト「セゾンポイントモール」を経由することで、通常ポイントに加えて1,000円につき最大29ポイントが加算される。Amazon、楽天市場、Yahoo!ショピング、ベルメゾンネット、じゃらんなど、400サイト、30万以上のショップが登録されているので、ネットショッピングの際には経由を忘れないようにしたい。

・方法2,セブン-イレブンで「nanacoポイント」とダブルで貯める

事前に登録の上、セブン-イレブンでカードを利用すると永久不滅ポイントに加えて、保有するnanacoカードにも「nanacoポイント」が貯まる(100円ごとに1ポイント付与、1%還元)。これにより、このカードをセブン-イレブンで使うと1.75%の超高還元率となる。

SAISON MILE CLUB……航空系ゴールドカード以上のマイル還元率に

JALマイルを貯めているなら、年会費4,400円(税込)の有料サービスとなるが「SAISON MILE CLUB」への登録をすすめたい。

これは、クレジット利用金額に応じて「永久不滅ポイント」の代わりにJALマイルが貯まるサービスで、毎月のクレジット利用総額1,000円ごとに10マイル付与される。さらに、2,000円ごとに永久不滅ポイント1ポイントも貯まり、このポイントもJALマイルに交換した場合、合わせて1.125%のマイル還元率となる(100円の利用で1.125マイル獲得)。

JALカードのゴールドカード「JAL CLUB-Aゴールドカード」でもマイル還元率は1%にとどまることを考えると、1.125%がいかに高還元率か分かる。

しかも、「セゾンゴールド・アメックス」では、カード年会費に「SAISON MILE CLUB」の年会費を加えて合計1万5,400円(税込)となるところ、「JAL CLUB-Aゴールドカード」の年会費は1万7,600円(税込)となっており、2,000円以上も高い。

これを見ると、「セゾンカード・アメックス」がJALマイルを貯めるのに適したカードであることが分かるだろう。なお、一般的に1マイルは2円相当の価値があるとされることから、1.125%のマイル還元率はポイント還元率換算では2.25%相当となる。

――以上のように、通常のポイント還元率は他社カードと比較して必ずしも高いとはいえないカードだが、使い方によっては高還元率も狙える仕組みが用意されている。特にJALの利用が多い人は、航空系ゴールドカードの代わりにこのカードも検討対象にしてみてほしい。

4,セゾンゴールド・アメックスの2つのデメリット――加盟店シェアとポイント還元率周りが弱い

このカードのデメリットとして次の2つに触れておこう。

デメリット1,アメックスの加盟店が比較的少ない

VISAやMasterCardと比べるとアメックスの加盟店は少なく、店舗で使えないケースもあり得る。日本ではJCB加盟店で使えるので問題になりにくいが、海外では使えずに困ってしまう可能性もある。そのため、海外旅行時にはどうしてもVISAやMasterCardのカードと併用する必要があるだろう。

デメリット2,通常のポイント還元率があまり高くない

すでに触れたように、0.75%のポイント還元率は他のセゾンカードと比べると高いが、他社カードと比較すると決して高くはない。ポイントアップの手段が少ないのも残念なところだ。JALマイルを貯める専用のカードにする場合を除くと、ポイント還元率が低い理由からメインカードには据えにくいカードといっていいだろう。

5,セゾンゴールド・アメックスがおすすめなのはどんな人? 家族旅行が多く、健康に気を遣う人に向いているカード

海外旅行傷害保険の家族特約が強力なので、家族での海外旅行の多い人には特におすすめだ。ただし、海外空港ラウンジを使うなら、先に説明したようにプライオリティ・パスに無料で登録できる「セゾンプラチナ・アメックス」も選択肢に入ってくる。

その他、ヘルスケア関係の優待も魅力的なので、健康に気を遣いたい人にもおすすめできるカードだろう。各種の優待をうまく活用できれば、かなりコストパフォーマンスに優れた1枚である。

また、何度か説明したように、有料とはなるが「SAISON MILE CLUB」に登録してJALマイルを貯めるカードとして使っていくのもおすすめだ。

モリソウイチロウ
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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