上げ底容器が生まれた背景
コンビニチェーン関係者はいう。
「容器の上げ底やスカスカ状態になる件については、同じ業界の人間としては少しセブンに同情してしまう面もあります。近年は社会のプラスティックごみ削減の機運を受けて、小売各社は容器を薄くする努力を進めており、強度を保つために一部が曲がって盛り上がる形状にしていることがあります。電子レンジで加熱時に中身全体にまんべんなく熱が通りやすくする目的で、そのような形状になっている場合もあります。また、容器は商品一つひとつごとにつくるわけではなく、複数の商品で共通の形状の容器を使うため、商品によっては大きな空間が生じてしまったりするケースはどうしても出てきます。容器の共通化はコスト削減や廃棄量削減の目的もあり、価格が低く抑えられるという消費者側のメリットもあります」
では、セブン不調の原因はなんなのか。
「食品類に関していえば、ファミマとローソンと比較してセブンは価格が高めで量が少なめというのは事実でしょう。その分、セブンは品質にこだわってはいるものの、そこまで品質は高くなくてもよいので安くてボリュームが多いほうがいいという消費者は少なくないです。また、セブンはこれまで徐々に値上げを進めてきましたが、消費者の実質賃金はここ何年も減少が続いており、懐事情が厳しくなるなかで絶対額としての価格をよりいっそうシビアに考慮するようになり、『さすがにセブンの価格には、もうついていけない』という人が増えたのかもしれません。
『セブン=高い』というイメージがここまで広まってしまうと、客足が回復するまでは一定の時間を要するとは思いますが、今、セブンの店舗に行くとわかりますが『うれしい値!』の商品をはじめ明らかに手頃な価格の商品が増えており、それが認知されるようになれば、徐々に既存店売上高も回復してくるのではないでしょうか。データに基づく緻密な戦略展開が得意なセブンのことなので、先を見据えて手堅く各種対策を繰り出してくると思います」
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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