■納豆にからしが入れられる理由

そもそも、なぜ納豆にからしなのか。全国納豆協同組合連合会の広報担当者によると、その起源は江戸時代まで遡るという。

「江戸時代になって町ができ、納豆屋ができて販売し始めました。ただ、当時は冷蔵庫がなかったので、発酵が進んでしまいます。発酵が進む原因はアンモニアにあるのですが、これが強い臭いを発します。それを打ち消すためにからしが入れられるようになりました」(広報担当者)。

臭いを打ち消すのであれば、わさびも有効な気がする。からしが選ばれた理由を聞くと、「わさびは山の深い場所の清流で育つため、栽培するのが難しいです。その点、からしの原料はからし菜という比較的栽培しやすいものだったので、選ばれたのでしょう」(前出・広報担当者)とのことだった。

手軽に入手できる点もからしが定着した理由の一つかもしれない。