続いて、特定の年での国際比較をしてみましょう。

まずは1997年です。

図5 1人あたりGDP 名目 購買力平価換算値 中東・CIS 1997年IMF World Economic Outlook Databaseより

図5が1997年の1人あたりGDP(購買力平価換算値)の国際比較です。

アラブ首長国連邦やカタールは8万ドルを超え、日本の数倍の水準だったことになります。

サウジアラビア、バーレーン、オマーンも日本を超えていました。

イスラエルは当時18,724ドルで、ここからの伸びが大きく2020年には日本を上回る事になります。

トルコ、ロシアは10,000ドル前後の水準だったようです。

図6 1人あたりGDP 名目 購買力平価換算値 中東・CIS 2023年IMF World Economic Outlook Databaseより

図6が2023年の国際比較です。

カタール、アラブ首長国連邦は変わらず高い水準ですが、サウジアラビア、バーレーン、イスラエル、クウェートが日本を超えます。

オマーンが日本を下回っているのが非常に興味深い変化ですね。

トルコ、ロシア、カザフスタンも1997年の水準からすると大きく上昇していて、日本と相応の水準にまで達しています。

6. 中東・CISの1人あたりGDPの特徴

今回はIMFのデータベースから、中東・CISの国・地域について1人あたりGDPの国際比較をしてみました。

アラブ首長国連邦やカタールなど産出国では非常に高い水準に達している事が良くわかりました。また、イスラエルは順調に上昇していて近年では日本を超えます。

ロシア、トルコ、カザフスタンも上昇傾向が続いていて、特に購買力平価換算値では日本に及ばないながらも相応する水準に達しています。

地域内の格差が大きいように見受けられます。

今後どのように推移していくのか大変興味深い地域ではないでしょうか。