トランプ元大統領が次期大統領に確定しましたが、トランプ氏のマーケティング力の強さを改めて実感することになりました。
トランプ氏はもともとアメリカのテレビで放送されていた「アプレンティス」という番組や、プロレスのWWEで大人気だったタレントで、「悪徳不動産屋」というキャラを演じてきました。
日本で例えるなら、ハッスルのレイザーラモンHGに近い立ち位置と言えるでしょう。
2024年12月10日発売の『世界のニュースを日本人は何も知らない6』でも、日本のマスコミで取り上げられない海外の実態について解説しましたが、こうした空気感は実際に現地で体験しないとわからないものです。
彼は父親の不動産業を継いだ2世ビジネスマンではありますが、本業は実はビジネスではなく、テレビタレントです。
彼はキャラを演じる才能に非常に優れており、WWEのリングでは大変厳しい観客の目の前でエンタメを提供してきました。プロレスファンなら、本場アメリカで観客を沸かせる難しさをよくご存じでしょう。
トランプ氏はそこらの俳優やミュージシャンよりも才能にあふれた「テレビの人」なのです。
テレビやラジオに出演することがある方なら実感されると思いますが、視聴者や観客というのは非常に移り気です。
まして、目の前に観客がいる舞台や試合では、その場でうまいリアクションを取れなければブーイングの嵐です。プロレスとなればお客さんは非常に厳しいので、スター性がなければあっという間に出番がなくなります。
しかも、視聴率や観客動員数という数字で結果が出る世界で長年活躍し、実績を残すのは並大抵のことではありません。そうした厳しい世界でやってきたトランプ氏は、有権者が求めることを非常によくわかっているのです。
今回の選挙戦でも非常にわかりやすい言葉で、有権者が求めているメッセージを提供してきました。
わかりやすいリズム、タイミング、原稿を読まずにその場でリアクション、顔芸。