(注意:元の視力が低いほど改善した時の倍率が高くなります。例:0.01➔0.8で80倍)。正常な視力を持つ人に投与しても、視力が100倍になるわけではありません)
このような劇的な改善は、プラセボ効果で説明できるものではありません。
試験はフェーズ1および2の段階ですが、この時点で大きな治療効果が出ていると言えるでしょう。
また症状が改善した患者のなかには、数十年以わたりほぼ失明にあった人も含まれていました。
幼児のとき以来、家族や兄弟の顔を久しぶりにみた感想はどんなものだったのでしょうか?
一方で心強いことに、重篤な副作用は確認できませんでした。
研究者たちはこれまでの研究成果を総合すれば、遺伝性網膜疾患による乳児失明の20%に遺伝子治療が実行できると述べています。
「遺伝子を書き換えて病気を治す」という治療法は、半世紀前まではSFの話に過ぎませんでした。
もしかしたら近い未来、遺伝子疾患であっても、簡単に治せる時代がやってくるかもしれません。
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参考文献
100x Improvement in Sight Seen After Gene Therapy Trial
https://www.pennmedicine.org/news/news-releases/2024/september/improvement-in-sight-seen-after-gene-therapy-trial
元論文
Safety and efficacy of ATSN-101 in patients with Leber congenital amaurosis caused by biallelic mutations in GUCY2D: a phase 1/2, multicentre, open-label, unilateral dose escalation study
https://doi.org/10.1016/S0140-6736(24)01447-8