評価:★★★★☆/続投可能性:100%
J2リーグ戦を6位で終え、プレーオフ準決勝(12月1日長崎戦)を待たずに最終戦翌日に続投が決定したベガルタ仙台の森山佳郎監督。2021シーズン19位でJ2降格以降、毎年監督を交代している仙台では、指揮官続投自体、渡邉晋監督(2014-19)以来だ。
J1昇格した横浜FCに対しては“ダブル”を達成。優勝した清水にもホームのユアテックスタジアム仙台で勝利(3-2)。3位の長崎にも1勝1引き分けで、大いに上位戦線を掻き回した仙台。クラブ創立30周年の節目のシーズンで最終節のホーム大分トリニータ戦(2-1)での勝利で、プレーオフ圏内に滑り込んだ。
強化の裏には、2023年6月にGM(ゼネラルマネジャー)に就任した庄子春男氏の存在がある。富士通サッカー部で現役を終え、1995年からは創設間もない川崎フロンターレの運営に携わり、強化本部長を歴任し、エグゼクティブアドバイザーだった2023年3月に退任。故郷である仙台に請われ、フロント入りし、チーク改革を託された。庄子氏の言葉によれば、「リフォームというより建て替え」という状態だったという。抜本的にクラブを変革するべく、前U-17日本代表監督で育成に定評のある森山氏を新監督に招聘。コーチ陣も一新した。
前2023シーズンには16位と何とかJ3降格を免れたチームから、一気にJ1昇格を狙えるチームに変え、プレーオフの結果を待たず森山監督の続投を決めたことで、庄子GMの改革は成功したといっていいだろう。平均観客動員数も、2023シーズンの1万1,215人から今2024シーズン1万2,912人と、前年比約115%で回復し、終盤線のホームゲームではチケット完売も相次いだ。
13ゴールを記録したFW中島元彦や、9ゴールのMF相良竜之介といった若い力がチームを牽引し、伸びしろを感じさせる。例えプレーオフで敗れたとしても、来2025シーズンは自動昇格の2位以内を狙えるだろう。