電子定款とは、これまで紙で作成していた書類を電子データで作成するもので、印紙代の4万円が不要になります。つまり、この電子定款を導入することでお客様は4万円分のコストを抑えることができます。

このような顧客メリットがあるものは、業務として取り扱う予定があるなら導入したいものです。「お客様には不利益になるけど、うちの事務所はお金がないから……」という気持ちはわかりますが、プロフェッショナルとしては看過できません。こういったソフトを入れることによって、顧客メリットがある業務を事務所のラインナップに入れるならば、それは必要経費として迷わず導入すべきです。

行政書士なら仕事を受けるごとに購入しよう

業務ソフトの種類でいえば、一番多くのソフトが必要になるのはやはり行政書士でしょう。行政書士になると毎月会報が行政書士会から送られてきますが、巻末には建設業や産廃業などの数多くの業務用ソフトが紹介されています。

司法書士なら登記、税理士なら会計などと業務範囲がある程度決まっている士業では、それほど頭を悩ませることもありませんが、行政書士ではすべてそろえようと考えたら100万円では足りません。

では、どのようにそろえればよいかというと、「その仕事を受けるごとに検討し、今後もその業務を取り扱うなら購入する」というのがもっとも効率的でしょう。

たとえば、建設業の新規許可の依頼を受けて、今後も取り扱うなら建設業許可に関する業務用ソフトを購入します。依頼を受ければ報酬もいただけるので、よいタイミングです。一度に購入すると資金的負担も大きいので、少しずつ購入していくのがよいでしょう。

ところで、最後に書類の紙品質については、無頓着な士業が多いといえます。廉価なコピー用紙を使用する方も多いですが、プロとしては紙の品質にも少しこだわりを持ちたいところです。安いコピー用紙などを使用すると紙の劣化も早く、長期間にわたる契約では契約書も長期保存になるため、保存に適した書類を使ってお客様に渡すなどと気をつかいたいものです。