最高裁の判決主文は以下です。
原判決中、人事院がした判定のうちトイレの使用に係る部分の取消請求に関する部分を破棄し、同部分につき被上告人の控訴を棄却する。
違法とされた人事院の判定とは、当該男性が「職場の女性トイレを自由に使用させることを含め、原則として女性職員と同等の処遇を行うこと等を内容とする行政措置の要求」をしたところ、人事院27年5月295月29日付けで、いずれの要求も認められない旨の判定をしたのですが、このうち、トイレの使用に係る部分ということです。
まとめ:残された疑問⇒当該男性が女子トイレ使用をする必要性、女性職員らの拒絶意思の明示は?残された疑問があります。
それは、当該男性が女子トイレ使用をする必要性は、どのように認定されたのか?という点。これは訴訟の判決文でも訴訟や今回の使用認容に関する報道でも、まったく明らかになっていませんでした。
次に、【女性に見える男性職員が男子トイレを使用することについての理解増進の研修】は行っていたのでしょうか?それではダメだったのだろうか?
また、経産省は昨年度の時点で全フロアにユニバーサルトイレを設置したとしていますが、今回の人事院ではこうした事情は考慮されなかったのか?
そして、女性職員らの拒絶意思は明示されていたんでしょうか?この点が不存在だったということが最高裁判決を決定づけているので、再判定に際しても考慮されたハズですが…
経産省トイレ訴訟の最高裁判決の論理展開にも疑問が残るものはありますが、その前にこうした事実問題が横たわっている事案だということは意識されるべきだと思います。