【島根1区での岸田自民との戦い、4月26日安来市で応援演説!】

その夜、選挙戦最終日の翌27日に、岸田首相が2回目の応援に入るとの情報が入った。現職総理が、特定の小選挙区への2回目の応援、しかも投票日前日、というのは異例であり、相応の「勝算」があるからだろうと思えた。期日前の投票率は前回をかなり下回っているとされており、低投票率になると、自民党の組織固めの選挙戦術が功を奏してくる可能性は十分にある。

私は、SNS(X:旧ツイッター)で、

《現状は「自民劣勢」ではない。期日前投票率等から、低投票率で「勝てる」と考え、投票日直前の応援に入るのだろう。私は、今日、その松江市で、島根人を舐めている岸田首相を迎え撃つ》 《「島根の戦い」本番は、明日の選挙戦最終日午前11時半~、松江・みしまや上乃木店前です。上乃木は、私が幼少期、中高生時代を過ごした地です。明日は、岸田首相も2回目の自民候補応援に松江市に入るとのこと、私がこれまで続けてきた「岸田氏猛批判」の街頭演説で迎え撃ちます。》

と投稿し、翌27日の松江市での街頭演説に臨んだ。

街頭演説を直接聞いてもらえる数はせいぜい100名程度だが、その街頭演説をただちにYouTubeにアップし、松江市、安来市の市民に向けて拡散を図れば、相当な数の有権者に視聴しもらうことも可能だと思った。

「本番」と位置付けた松江市での街頭演説

翌日の街頭演説では、「みしまや上乃木店」前で亀井氏本人と辻本清美立憲民主党代表代行と合流し、私が最初に演説を行った。私の持ち時間は10分だった。

最初に、

明日の島根1区の補欠選挙は、岸田首相が国民に判断を仰ぐとしている「唯一の選挙」であり全国民が注目する審判。その投票券はドジャース大谷翔平の開幕戦同様のプレミアムチケット。ゆめゆめ無駄にしてはいけません。必ず投票を!

と話した後、審判を受ける岸田首相について、

安倍元首相の国葬の強行、旧統一教会と自民党との関係について十分な調査も行なわなかった。長男翔太郎氏を秘書官にするなど権力を私物化し、「首相公邸忘年会問題」でも国民に謝罪もしていない。「裏金問題」、自民党による実態解明をほとんど行わず、裏金議員は税金すら払わないのに、岸田首相は、「検察の厳正な捜査を踏まえて議員個人が納税を考えるべき」と言うだけ、自分への処分も行わない、などとこのようなデタラメな対応を続けた末に、全く意味のない政治資金規正法の改正案を出した直後に行われるのが島根1区補選、これまでの岸田首相の所業全体に対して国民を代表して判断を下す場がこの島根1区の補欠選挙。

と、その「所業」を徹底批判した後、候補者本人について、

亀井亜紀子氏は、決して単なる「世襲政治家」ではない。世襲政治家というのは、親から地盤と政治資金等の政治基盤をぬくぬくと受け継いてでき安倍氏や岸田氏のような政治家のことを言う。亀井亜紀子さんは、郵政民営化など新自由主義と戦ってきた亀井久興氏から使命を受け継ぎ、地方を大切にする真の保守政治家、自民党と島根で戦ってきた人。

そういう亀井亜紀子さんに、岸田自民党を倒してもらいたい。島根1区の皆さんに、自民党に強烈なノーを突き付けてもらいたい。小泉進次郎氏が来て、動画で「逆転の錦織」などと言っている。しかも、岸田首相は、選挙運動最終日にも島根入りし、間違いなく「勝ちに来ている」。もし万が一、ここで岸田自民を勝たせるようなことになれば、島根県の歴史に残る恥になる。島根県に生まれた者としてそのようなことには絶対になってほしくない。今回の投票を、「亀井亜紀子」で埋め尽くし、岸田自民に圧倒的な「NO!」を。

と述べた。

すると、ちょうど「岸田首相批判」の最中に、最前列にいた高齢の男性の、

「亀井にしゃべらせろ!」

と叫ぶ声が聞こえた。その声の主を見ると、こちらを敵意のこもった表情でにらみつけていた。

私の隣に立っていた亀井氏は、とっさに、「後で話します」と言ったが、明らかに動揺していた。私は、構わず演説を続けたが、「亀井にしゃべらせろ」という声に亀井氏が動揺している様子を見て、その後の話を当初の予定より短くして終えた。

次に応援演説を行った辻元氏は、自分が優勢と報じられた選挙で落選した経験を踏まえ、

「最後の最後まで、知り合いに声をかける等の応援をお願いしたい」

という「選挙応援のお願い」が中心で、本来の持ち味の「政権批判」は殆ど聞かれなかった。

そして、最後にマイクを握った亀井亜紀子氏、前日の安来では、裏金問題への批判も含め切れ味があり、裏金問題への不満を募らせている聴衆の反応も良好だったが、この時は「批判的なトーン」は殆どなく、全体的に地味な内容だった。

「亀井にしゃべらせろ!」の影響は相当大きかったように思えた。

2021年衆院選の際の「かめいあきこ」事件

その日の街頭演説は、亀井氏側が、時間と場所、そこで私と辻本代表代行が演説することを事前に公表している。当然亀井氏本人も演説するので、「亀井にしゃべらせろ」と言われる筋合いはない。しかも、その声の主は、どう見ても、亀井氏の話を聞きに来ているようには思えない、反亀井の立場の人間だと思えた。しかし、それでも、聴衆のど真ん中で、そのようなことを大声で言われると演説する側への心理的影響は大きい。

反対陣営の嫌がらせと思える事態に、私は、前回の2021年衆院選で亀井氏が受けた「かめいあきこ」立候補による妨害のことを思い出した。

この選挙には、「亀井彰子」(かめいあきこ)氏が突然立候補し、氏名の読みが同じになる候補の出現に、亀井亜紀子陣営は、投票日直前になって選挙ポスターを全部変更することを余儀なくされるなど、大きな不利益を被った。

この「亀井彰子氏」は、選挙運動を全く行わなかったばかりか、公職選挙法上提出が義務付けられている選挙運動費用収支報告書も提出しなかったため、公選法違反で告発され、供託金300万円を誰が拠出したのかも未だに不明である。

2021年の選挙では、2017年の衆院選で亀井亜紀子氏に比例復活された細田氏が、衆議院議長に向けて選挙結果を自民党内でアピールするため、対立候補の亀井亜紀子氏が比例復活できないような「完全勝利」をめざしていると言われていた。

実際に、細田氏は圧勝し、亀井亜紀子氏を比例復活できない落選に追い込み、その後、衆議院議長に就任した。「亀井彰子」氏を立候補させるという明らかな選挙妨害行為が、自民党・細田陣営側から、或いは細田氏を支持する宗教団体等によるものなのかはわからない。しかし、細田氏の対立候補だった亀井亜紀子氏が、そのような卑劣なやり方で妨害を受けた過去があることは事実である。

今回、自民党候補の陣営は、どのような手段で亀井氏の当選を阻もうとしているか、想像がつかなかった。

岸田首相、投票日前日再度の応援演説を迎え撃つ

みしまや上乃木店前で11時半からの街頭演説の模様は、その後すぐに編集し、午後3時にアップした。