政治
2024/11/15
自民党総裁選で誰もふれない「部屋の中の象」
このまま9割引医療を放置すると、全世帯の3割負担も維持できない。今の40代が高齢者になるころには、5割負担でも足りなくなるだろう。
先送りしていると問題はどんどん大きくなる9割引医療は氷山の一角である。社会保障特別会計の簿外債務は今後40年で、年金債務だけで1100兆円にのぼる。医療・介護を含めると2000兆円近い。この象は成長する象なのだ。問題を先送りしていると、そのうち象は会議室の机を踏みつぶし、ドアを破り、建物を食い尽くすだろう。
1990年代には銀行の簿外債務を海外に隠す「飛ばし」が流行した。これで見た目には銀行の帳簿はきれいになるが、不良債権は残っているので、最後は誰かが払わないといけない。山一証券が自主廃業した原因も、この簿外債務だった。
日本経済を破壊した不良債権はたかだか100兆円だったが、今度はそれより一桁大きい。そのダメージは、来年から決定的に大きくなる。現役世代の負担は激増して世代間格差は拡大し、国民負担率は50%を超える。
この問題は国会の多数決では解決不可能だが、首相に決断力があれば不可能ではない。小泉首相や菅首相のような決断のできる自民党総裁を選ぶ必要がある。
2024年9月13日公開記事
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