クラブ結成から10年に渡り東海リーグから脱せず、JFL参戦は2019シーズンから。その初年度にいきなり女性監督の起用に踏み切り、スペイン人指揮官のミラグロス・マルティネス・ドミンゲス氏(ミラ監督)を抜擢する。女性監督就任はJリーグも含めた日本の全国リーグで初の例となった。
ミラ監督は初年度12位、翌2020シーズンは5位と合格点の成績を残したが、就任3年目の2021シーズン途中、成績不振で退任。その後を継いだのは、元日本代表MFにして、ギラヴァンツ北九州(2011-12)、東京ヴェルディ(2013-14)、カターレ富山(2016)、鹿児島ユナイテッド(2017-18)を指揮し、Jでの監督経験も豊富なカズの兄である三浦泰年氏だった。
時を同じくして「Jリーグ百年構想クラブ」に認定され、いよいよJリーグ入りへ本格的に動き出そうとする中、不祥事が襲う。
鈴鹿の不祥事とは
2021シーズン終了後の12月、鈴鹿のクラブ運営会社を退任した元執行役員が、「当時のオーナー西岡保之氏から2020年11月29日のソニー仙台FC戦に臨む監督や選手に、わざと負けるよう指示があった」旨の内容をツイッター(現X)上で告発。加えて、クラブがこの元執行役員に2,500万円を支払ったことを明らかにした(試合は1-0でソニー仙台の勝利)。
日本サッカー史上初といえる八百長事案とあって、日本サッカー協会(JFA)は、没収試合と罰金500万円の処分を下し、さらに、告発した元執行役員がクラブに対し“口止め料”を要求したとして脅迫未遂の容疑で逮捕されるという前代未聞の事件となった。
不祥事はこれで終わらない。クラブ側が選手に持続化給付金詐欺を持ち掛けていたことが明るみとなり、さらには三浦泰年監督によるパワハラ行為が告発され、「Jリーグ百年構想クラブ」の資格が停止される事態となったのである。