余談ですが、私は先週、当地の銀行で意地悪をしました。手ぶらで銀行に行き、会社の口座から銀行発行為替手形を発行してくれと窓口でお願いしたのです。会社の銀行カードを持たずに、です。私はできるのを知っていましたが、知らんぷりしてどうするか、見ていました。マネージャーと長々と相談したのち、私に「あなた、個人の銀行カードはお持ちですか?」「YES」、次に私の免許証の提示、これで私の会社の口座から銀行為替手形が作れちゃうのです。便利な世の中ですが、そこまで精通している人はほとんどいないのです。
つまり世の中のシステムはIT化が進み、技術的には非常に進んでいるのですが、それを使いこなせないのです。
ところで船井電機が破産したことになにか不自然さがあるとされています。非常に複雑なスキームなのですが、直感的に同社を買収した親会社が美容関係の事業で相当の赤字を出し、その赤字穴埋めに船井の手持ちのキャッシュを使ったように見えるのです。元環境大臣の原田義昭氏が船井の会長になっており、破産はおかしいと言っているようです。私は原田氏が大臣になる前に酒を飲んだことがあるのですが、同氏は正義感に満ちた方なので真相を暴いてくれると期待しています。
買収の際に被買収企業に多額の現金がある場合、それを狙い、買収し、その現金を他の事業に転用したり赤字補填をするケースは大いにあり得ます。茨城の納豆ビジネスもそれだったような気がします。つまり確信犯。
そうであればM&Aも正直ITとAIでマッチングビジネスにした方がよいと思います。不動産売買や仲介もそう。つまり下手な仲介担当者がよくわからないことをするよりずっとましなのです。そしてそんな世の中だからこそ、経営者は賢くならなくてはいけないし、事業継承という特定の目的について講習会ばかりに行くのではなく、自分の頭で考え、何をどうすべきか、よく整理して次のステップに入ることをお勧めしたいと思います。