同じタイミングで新車を購入しても、人によってクルマの傷み具合は異なるもの。故障の有無だけでなく、数年後の「ヘタリ感」でも明らかな差が生まれてくる。定期点検やオイル交換などをきっちりしていても差が出てくるのはどうしたわけだろうか。それは、ちょっとした気遣いや操作の違いが、ボディブローのようにクルマに影響を及ぼすからだ。クルマの寿命を削ってしまうような5種類の運転をピックアップ。心当たりがあるならば、気を付けるようにすれば、愛車をご機嫌なコンディションに保つことができるはずだ。
暖機を考慮しないアクセル操作はエンジンを傷める
まず、エンジンの寿命を左右するのは丁寧な慣らし運転と、暖機の配慮した運用にある。慣らし運転については、かつてほど気にすることはなくなってはいるが、それでも新車の購入直後からアクセルをガンガンに全開にするような粗っぽい乗り方をするとエンジンのおいしいところを使えなくなりがちだ。
いまどきのエンジンは各部の精度も高いので、粗く乗ったからといって壊れることはないが、本来の性能を発揮しきれないことは多分にある。
日常的に気を付けたいのは暖機についての配慮だ。出かける前にエンジンをかけてアイドリングで放置しておくというのは環境対応の面からNG行為となっているため走り出した直後は、各部が冷えた状態になっている。その状態で、いきなりアクセルを大きく踏み込むような運転をするとクリアランスは適正でなく、エンジンオイルの油膜による保護効果も十分ではないため、徐々にエンジンのライフを削ってしまうことになる。
最近のクルマには水温計はなく、インジゲーターで表示することが多いが、せめて水温が低い状態を示す青いランプが消えるまではアクセル開度を控えめにするなど配慮すべきだ。
乾いた状態でワイパーを動かすと窓が傷だらけになる
フロントウィンドウが汚れているときに、ウォッシャー液を噴射して、ワイパーを動かすドライバーを時おり見かけるが、この行為はガラス表面にこまかい傷をつけてしまうばかりか、ワイパーゴムも傷めてしまう。非常時ならまだしも日常的に、ウォッシャー液とワイパーでフロントウィンドウを掃除することはやめるべきだ。
またウォッシャー液がボディにかかるとシミになってしまいがち。視界にかかわるフロントウィンドウは濡らしたウエスなどでこまめに拭いて、クリーンな状態を保ちたい。もちろん、泥などがはねてきて前が見えないくらい汚れてしまったときにはガラスに傷がつくことよりもウォッシャー液とワイパーで視界を確保することが優先されるのは当然のことだ。