それはいいんだけど、気になるのは来月になったら「これはひどい! 貧乏人は『劣った薬』でガマンしろというのか。新自由主義ガー! 弱者切り捨てガー! カネより命!!」と、Twitterとかで叫び出しそうな人たちのことだ。
おばあさんの説明にあるとおり、少なくとも「きっかけ」としては、無料で入院し放題・ワクチン打ち放題だったタダコロナ政策のつけ払いを清算し始めるんで、国民に請求書送りますね、っていう事情はあるだろう。で、叫びそうな人たちはコロナの時には、なんて言ってましたっけ。
2020年のCOVID-19禍においても、「正しいリベラル」系の論客は「平常運転」でした。 例えば菊池誠は《やはり、今や左派もリベラルも金に困らない層の道楽に堕ちてしまったな。経済弱者に冷淡すぎる》と言い、また東浩紀も《また今回、思想的に「リベラル」と呼ばれる知識人が、国内でも国外でも監視社会を積極的に肯定してしまったことも覚えておくべきでしょう》と言うことを述べています。
しかし、日本共産党などが「自粛と補償はセットだろ」と移動の制限という人権侵害に対して手厚い補償を求めたことを無視していますし、そもそも東の言う「監視社会を積極的に肯定」するリベラルというのは誰を指すのかわかりません。
後藤和智「安倍長期政権を「担ぎ上げた」のは誰か?」 現代ビジネス、2020.9.14 (強調は引用者)
この恥ずかしい文章に表れているとおり、当時は「補償さえ出せば自粛の強要OK!」が、正しくないダメなリベラル派の空気だった。要は、自分たちが国家の強権(自由の制限)を望む自己矛盾から目をそらし、後ろめたさを打ち消す免罪符として「補償! 無料! カネ!」とばかり騒いで、政府の「コロナつけ払い」を後押ししたわけである。
口では「カネより命」と言っても、当の本人が実は「自由よりカネ!」で、かつ「命よりカネ」でもあったわけだ。そのことは、コロナワクチンの薬害問題に対する、彼らの露骨な無視を見ればわかる。