昨今代表への招集はないが、現在国内で活躍する日本人FWの中でも抜きん出た実力を見せていることに疑いの余地はない。また、前線で起点となるプレーの真髄を後進へ伝える役割も期待できる。MF三笘薫(ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン)やMF久保建英(レアル・ソシエダ)など2列目にかつてないほど強力なタレントの揃う現在の日本代表。自身のみならず周囲を活かせる大迫のプレーが、まさに真価を発揮できる環境が整っているだけに、代表復帰がどんな効果をもたらすのか見てみたいものだ。
宇佐美貴史(ガンバ大阪)
直近3シーズンは低迷が続くガンバ大阪。復権を果たすべく臨む今季は、開幕から5戦負けなしと好スタートを切った。第12節セレッソ大阪との大阪ダービーを制して以降は5連勝を含む8戦負けなしと強さを見せ、前半戦第19節が終了した時点では首位と勝ち点2差で3位につけていた。残念ながら後半戦に入って以降は失速し、現在は4位と優勝争いからは脱落した。それでも来季以降に向け、期待の持てるシーズンとなっているのは間違いない。そんなG大阪で上位進出の立役者となっているのが、クラブの至宝FW宇佐美貴史だ。
ここまで35試合に出場し、12ゴール8アシストはいずれもチームトップの数字。開幕から3試合連続ゴールを挙げるなど、シーズン序盤から格の違いを見せつけている。直接フリーキックからのゴールや決定機を作り出すパスにドリブルと技術の高さは健在。さらに前線からの献身的なプレスでもチームを大いに助けている。最近はベンチスタートとなる試合もあったが、第33節北海道コンサドーレ札幌戦では2つのゴールを、第35節名古屋グランパス戦では1つのアシストをいずれも途中投入から決めており、チームに勝ち点3をもたらす勝負強い働きを見せた。
本大会に向け、9月・10月シリーズは無敗で突き進む日本代表。しかし、過去の最終予選を見ても先月15日のオーストラリア戦のようになかなか得点を奪えない苦しいゲームをいくつも経験してきた。それだけに、技術の高さに加え宇佐美の今季見せる勝負強さは、代表でも必ずやチームの助けになるはずだ。