こうした応援スタイル、どこか既視感があるとふと考えてみると、高校野球や大学野球の学生席に似ている。ブラスバンドを交えた応援には、取っ付きやすさもある。加えて「一見さん大歓迎」のムードがあるのが、何よりのメリットとなっている。そして、Jリーグの“常識”が日本スポーツ界の“非常識”となっていたことに気付かされるのだ。


JFLの舞台では苦戦が続いているクリアソン新宿だが、いつの日かJリーグ入りのチャンスが巡ってくるだろう。その時、サポーターの数が2倍3倍となっていく過程で、この異色ともいえる応援スタイルを維持していくことが、チーム強化とともに至上命題となるのではないか。

そのことがJリーグの理念を体現することにつながり、ひいては“特例中の特例”としてJリーグライセンスを認められたことへの恩返しとなるからだ。そしてJリーグ入りを果たした暁には、そのホームスタジアムが国立競技場であることが、クリアソン新宿にとっての理想的な未来像なのだと思われる。