一方、男子優先については国内で改正論もあり、CEDAWから勧告されたこともあるが、無視されている。CEDAWの委員長はスペイン人のアナ・ペラエス氏で、彼女が母国の状況に影響を与えたいために日本の皇位継承について言及することに固執したともいわれる。

いずれにせよ、CEDAWの勧告に従って欧州各国の例にならったところで、遡及適用はしないのが国際常識だということこそが重要である。現実として、悠仁さまは将来の天皇として厳しい帝王教育を受けられており、心身ともになんの問題もない。

日本では、上皇陛下退位のときに制定された新たな法律にもとづき秋篠宮殿下が「立皇嗣礼」まですまされ、皇太子と同様であることを明確に定めたのである。その長男である悠仁さまが将来の天皇としての歩みを重ねておられるのを中断させる合理性は何もないし、その変更の可能性を議論するだけでも、国民の分断を招く。

ただ、悠仁さまのあとも、順調に継承が行われるとは限らず、その場合に、旧宮家の人々によって伝統的な男系男子継承を守るのか、女系継承も可とするのかは、今後の課題だろう。